研究課題/領域番号 |
19K18043
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
植草 省太 日本大学, 医学部, 研究医員 (70746338)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経芽腫 / PIポリアミド / 放射線増感剤 / ポリアミド / 放射線増感効果 |
研究開始時の研究の概要 |
神経芽腫は高リスク群において、集学的治療が行われているにもかかわらず未だ予後不良である。神経芽腫に対する化学療法の主要な薬剤であるcisplatinは放射線増感効果を持つ。cisplatinは有効な抗がん剤であるが、腎障害などの副作用が問題となることがある。Pyrrole-Imidazole Polyamide(以下PIポリアミド)は細胞の核内への移行性が高く、様々な薬剤を核DNA近傍へ移送させる輸送担体として利用できる。今回我々はPIポリアミドにcisplatin類似化合物を結合させることで、神経芽腫細胞の核内に選択的に取り込まれ、放射線増感効果を持ち副作用の少ない新規薬剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
シスプラチンは放射線増感効果を持つことが知られている。また、PIポリアミドは核DNA に配列特異的に結合する。PIポリアミドを用い、cisplatinをはじめとしたプラチナ製剤の抗腫瘍作用の場である腫瘍細胞の核内へ、効率的に抗腫瘍薬を誘導することで、より強力な抗腫瘍効果を得ることが可能となる。 非特異的遺伝子配列を標的としたPIポリアミドの核内移行性の高さを利用し、シスプラチン類似白金錯体とPIポリアミドを結合させた化合物(PIP-Pt)を神経芽腫細胞株に添加し、その放射線増感効果および抗腫瘍効果を検討した。その結果PIP-Pt添加群で放射線増感効果が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、いまだ予後不良である神経芽腫高リスク群患者に対しての新規治療薬剤の開発を目的とする。今回開発するPIP-Ptは低用量でcisplatinと同等以上の治療効果が望める可能性があることから、抗腫瘍薬の副作用を減じる効果が見込まれる。また、本研究では神経芽腫に対するMYCN遺伝子を標的としたが、横紋筋肉腫におけるPAX3-FOXO1遺伝子等、腫瘍特異的に発現している遺伝子を標的としたPIポリアミドを用いて同様の化合物を作成することで、神経芽腫以外の様々な悪性腫瘍に対する新規抗腫瘍薬の開発へと発展することが期待され、学術的、臨床的に大きな意義を持つ。
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