研究課題/領域番号 |
19K18046
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター) (2019) |
研究代表者 |
後藤 航 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (20824668)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 乳癌 / エリブリン / 免疫微小環境 / ホルモン療法耐性乳癌 / エストロゲン再発現 / 化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,乳癌治療において腫瘍微小環境(TME)の評価が重要な役割を担っていると考えられるようになった.TMEには上皮間葉転換や腫瘍免疫応答など,癌細胞の悪性形質獲得に関わる変化が含まれており,TME制御が治療戦略の鍵と考えられる. 非タキサン系の微小管阻害剤であるエリブリンは,TME調整作用などユニークな薬剤特性を有することが前臨床研究により明らかになっている.申請者はエリブリン耐性乳癌細胞株の樹立に成功し,耐性機序の観点よりエリブリンのTME調整作用について探究をすすめている.本研究ではエリブリンにおける腫瘍微小環境制御による新たな乳癌治療戦略を検証していく.
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研究実績の概要 |
低酸素耐性Luminal株からエストロゲン受容体関連遺伝子の減少を認めたが,エリブリン長期投与によりその発現が改善した.蛋白発現でも同様の結果を認め、in vivoでも同様の結果を確認した。このことから内分泌療法耐性乳癌に対してエリブリンを投与することでホルモン受容体の再発現を促し、内分泌療法の再投与が可能となることが示唆されたが、in vivoでの検証はその可能性を期待させるものであった。 上記内容をAnticancer Researchに投稿し、2022年11月17日にAcceptされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「エリブリン耐性乳癌細胞株における新たな治療戦略の確立」および「乳癌に対するエリブリンの新たな治療選択肢の検討」という2大テーマを掲げ,エリブリン耐性株の有用性とエリブリン・鉄キレート剤併用療法については一定の結果を得ることができ、論文accept1編,revice1編というかたちで報告できてきている. また,エリブリン耐性株の代謝競合の変化や,低酸素耐性Luminal細胞株のホルモン受容体発現がエリブリン投与でどのように変化するかという検討についても、論文acceptにまで至った。 以上より現在までの進捗状況は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
エリブリン耐性株のメタボロミクス解析を進めるとともに,蛋白発現レベル・Xenograftモデルでも免疫微小環境の変化を検証する.さらに,CDK4/6阻害剤やmTOR阻害剤の併用や順次投与による免疫微小環境の変化も併せて検証していく.
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