研究課題/領域番号 |
19K18061
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山田 和歌 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 特任助教 (20457659)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 長期絶食 / 腸管粘膜萎縮 / Acyl-ghrelin / Glucagon-like / peptide-2 / 腸管順応 / 経静脈栄養 / Glucagon-like peptide-2 / 短腸症候群 / 大量腸管切除 / 完全経静脈栄養管理 / 残存腸管 / グレリン / GLP-2 |
研究開始時の研究の概要 |
短腸症候群となった患児らの吸収障害の程度には、残存腸管長、回盲弁、大腸の有無、残存腸管の腸管順応が大きく関わる。これらのうち我々が改善しうるのは残存腸管の腸管順応であるが、腸管順応の機序については未だ不明である。腸管順応を促進する因子としては、術後の経腸栄養、成長ホルモン、グルタミン、消化管ホルモンであるGLP-2などが報告されている。この中で、ヒトでの有用性が認められているのはGLP-2 のみであり、現在臨床試験段階である。そこで、消化管ホルモンであるグレリンとGLP-2 を組み合わせることで、腸管粘膜萎縮を予防し、さらに残存腸管順応を効果的に促進する治療法の確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
消化管ホルモンであるグレリン(Ghrelin)とGlucagon-like peptide-2(GLP-2)の、消化管粘膜萎縮や腸管順応への作用に関する研究を行った。長期絶食、経静脈栄養管理ラットにおける腸管粘膜萎縮に対し、これらのホルモンを組み合わせ投与したところ、グレリンは早期投与、GLP-2は晩期投与の投与時期で腸管粘膜萎縮がより少ないという結果になった。また、90%短腸ラットモデルにおける残存腸管順応に対して、グレリンとGLP-2の併用投与をおこなった。それぞれの単独の投与より順応効果を認める結果には至っていないが、投与時期、投与量を検討し更なる研究を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
壊死性腸炎や多発小腸閉鎖などにより大量腸管切除を余儀なくされた小児短腸症候群らは、救命後も長期絶食、完全静脈栄養による管理を余儀なくされ、高度な栄養吸収障害と経静脈栄養関連合併症のため常に生命が脅かされる。経静脈栄養からの離脱には、腸管粘膜萎縮予防と残存腸管の腸管順応をいかに早く、効果的に行うかが鍵となる。本研究で、グレリンと現在臨床応用されている陰窩細胞増殖促進能を有するGLP-2を長期絶食、完全静脈栄養ラットモデルに投与し、それぞれ単独投与時より、腸管粘膜萎縮に相乗効果を認めた。現在はより臨床に近い短腸ラットにおける腸管順応に着手し、臨床応用につながる治療法開発を目指している。
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