研究課題/領域番号 |
19K18078
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小川 光一 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20733637)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 食道癌 / レクチン / リキッドバイオプシー / 糖鎖 / 3次元オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
食道扁平上皮癌手術検体より3次元腫瘍オルガノイドを作成し、食道癌に特異的に発現している糖鎖-レクチンの組み合わせをレクチンマイクロアレイにより解析・同定する。選別された複数種のレクチンを用いて食道癌患者および健常者の臨床検体(血液、唾液)中の遊離糖鎖の検出を行い、糖鎖-レクチン反応を標的としたリキッドバイオプシー法による食道癌の早期診断法としての有用性を検証する。また既存マーカーとの感度・特異度の比較を行い、新規バイオマーカーとしての優位性についても検証する。
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研究成果の概要 |
食道癌の早期診断法としてリキッドバイオプシーに着目し、糖鎖レクチン反応が応用可能であるかを検証した。食道扁平上皮癌症例の手術検体24例を用いて癌特異的糖鎖-レクチンの組み合わせを網羅的に探索したところ、α1-2FUC(糖鎖)と結合するUAE1が候補レクチンとして同定できた。ついで食道癌患者および健常者の血清を用いてUAE1レクチンによるレクチンブロットを行なったところ、食道癌に特異的な反応を検出することは出来なかった。UAE1が食道癌特異的なレクチンである可能性は高いが、治療バイオマーカーおよび治療ターゲットとなり得ることを検証するためさらなる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食道癌は難治性癌の代表例であり、早期診断・早期治療に勝る治療法はない。癌細胞表面には特徴的な修飾を受けた癌特異的な糖鎖が発現しており、発癌初期から血中や唾液中に糖鎖の構造物が遊離している可能性が高いと考えた。本研究では食道癌に特異的なα1-2FUC(糖鎖)-UAE1(レクチン)を同定することができたが、癌患者の血清中の発現を確認することは出来なかった。検出力を高めるため、またより特異性の高い候補レクチンの探索などさらなる検討を要するが、糖鎖レクチン反応を用いたリキッドバイオプシー臨床応用への足掛かりを得ることができた。
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