研究課題/領域番号 |
19K18081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森 治樹 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (40803945)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大腸癌 / 肝転移 / 腸内細菌 / 転移性肝腫瘍 / 細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
肝転移など遠隔転移を伴う大腸癌は極めて予後不良であり、対策が必要である。生体内には約100兆個の様々な細菌種が存在している。特に大腸では腸内細菌が癌周囲環境の一つとして重要な役割を担っており、apoptosis経路を介した化学療法に対する耐性に関与することが知られている。これまでにマウスモデルにおいて、原発巣だけでなく、転移巣でも腫瘍内細菌が存在することが示されているが、その生物学的意義については未だ明らかではない。 本研究では、大腸癌肝転移症例の臨床検体を用いて原発巣、転移巣における腸内細菌種とその臨床病理学的因子について検討し、ヒト生体内における癌組織内細菌の臨床的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
大腸癌原発巣及び転移性肝腫瘍における細菌の検出とその影響について解析した。糞便5例、原発巣5検体、肝転移巣7検体の計16検体の凍結標本からDNAを抽出し、16S rRNA V3V4領域のアンプリコン解析を行った。LEfSeを用いて解析を行ったところ、原発巣ではFusobacteria, Eubacteriumが優勢であり、糞便中にはFirmicutesやClostrida, bacteroidia, 肝転移巣ではsphingomonadaceae, Rhizobailesが優勢であった。CCK-8の実験によりLachnospiraceaeが大腸癌細胞の増殖に影響を与える可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにマウスモデルにおいて、原発巣だけでなく、転移巣でも腫瘍内細菌が存在することが示されているが、その生物学的意義については未だ明らかではない。これまでの報告でIn situハイブリダイゼーションを用いることで、Fusobacteriumが転移性病変の癌細胞にも存在すること、大腸癌PDXマウスモデルでのメトロニダゾール投与による腫瘍量が減少が知られている。今回の結果において、原発巣、転移巣にそれぞれ特定の菌腫が存在することが示唆された。今後、抗菌薬により細菌感染した腫瘍細胞中の細菌を制御することで、化学療法による抗腫瘍効果を高めるなど臨床応用が期待される。
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