研究課題/領域番号 |
19K18085
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
市原 もも子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50835246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 食道癌 / アルコール / 胆汁酸 / 扁平上皮癌 / DNA損傷 / 発癌 |
研究開始時の研究の概要 |
アルコールは食道扁平上皮癌の高リスク因子だが、発癌プロセスは十分に解明されていない。今回、我々は食道内に逆流した胆汁酸がアルコールの浸透作用により食道扁平上皮の基底層細胞まで浸透し、DNA損傷を引き起こし発癌するという仮説を立てた。本研究では食道正常上皮に対するアルコールおよび胆汁酸の暴露が扁平上皮癌の発生に及ぼす影響を、Organotypic培養・オルガノイドなど3次元培養を用いて立体的な細胞生物学的変化について検証し、食道扁平上皮癌の高リスク患者に対する硫酸コレステロールの予防的治療応用を探索する。
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研究成果の概要 |
本研究で食道正常上皮に対するアルコールおよび胆汁酸の暴露が扁平上皮癌の発生に及ぼす影響を検討した。COVID0-19の感染拡大のため、オルガノイド作成に必要なヒトサンプルの採取が困難であったため、主にin vitroの実験を行った。ヒト由来の食道上皮細胞株を用いて、アルコール、胆汁酸の単剤投与および併用が食道上皮に及ぼす影響を評価した。アルコールおよび胆汁酸を2ヶ月以上にわたり長期間暴露し、DNA損傷の有無をγH2axを用いて免疫蛍光染色で評価した。結果はアルコール単剤でもDNA損傷を起こしていることが分かり、またDCA単剤、アルコールとDCA併用でさらにDNA損傷を誘導していることが分かった
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究のin vitroでの結果、アルコールおよび胆汁酸の両方が食道扁平上皮細胞にDNA損傷を引き起こし発癌に寄与する可能性が示唆された。胆汁酸の食道逆流がバレット食道やバレット上皮癌に関与していることは広く知られているが、食道扁平上皮の発癌に胆汁酸が影響していることは知られていない。食道扁平上皮癌患者は異所性癌や多発癌さらに異所性再発を来すことが知られており、食道扁平上皮の発癌機序を明らかとすることでこれらの治療および予防が可能であると考えられる。
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