研究課題/領域番号 |
19K18086
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松浦 記大 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90804477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Notchシグナル / 上皮間葉転換 / 抗癌剤耐性 / Notch3 / EMT / 食道癌 / Notch |
研究開始時の研究の概要 |
集学的治療の進歩に伴い食道癌治療の成績は向上しつつあるが、未だ満足できる成績ではない。その一つの要因として治療抵抗性が挙げられる。食道癌微小環境において、Notch3活性低下とNotch1活性上昇が上皮間葉転換につながると報告されており、抗癌剤耐性と関連がある可能性がある。そこで我々はNotchシグナルを制御することで、EMTの抑制および、METの誘導が可能となれば、治療抵抗性を克服できる可能性があると考えた。この研究では、食道癌抗癌剤耐性のメカニズムの検討とNotchシグナルを利用した治療開発を行い、食道癌の予後改善につながる糸口を探索する。
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研究成果の概要 |
食道癌細胞株、マウスの食道癌皮下腫瘍モデルにおいて、Notch3は5-FUの暴露により発現、活性ともに低下した。そして5-FU耐性株においても同様の結果で、いずれにおいてもEMTが誘導されていた。化学療法後の臨床サンプルでもNotch3の活性低下は抗癌剤の効果が不良であることと相関し、EMTマーカーが発現していたことに加えて、Notch1の活性上昇とNotch3の活性低下を組み合わせても同様の結果であった。逆にNotch3の活性を上げると、5-FUの効果が上がりEMTの誘導を抑制した。そしてNotch3が直接Vimentinを制御していることも発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集学的治療の進歩に伴い食道癌治療の成績は向上しつつあるが、十分ではない。その一つの要因として抗癌剤による治療抵抗性が挙げられる。今回、抗癌剤耐性と関連のあると言われているEMTを制御するNotchシグナルに着目し、メカニズムを追求し治療へと活かすことのできる可能性を見出した。この結果は、食道癌の予後改善につながる糸口になりうるかもしれない。
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