研究課題/領域番号 |
19K18090
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
有本 聡 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20778766)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大腸癌 / 腹膜播種 / milky spot / CD8+T細胞 / T細胞疲弊 / NKT細胞 / 大網 |
研究開始時の研究の概要 |
腹膜播種は消化器癌に高頻度に認められる予後不良の転移形式であり、病態解明と治療の確立が求められている。大網上のmilky spot は、腹膜播種の癌細胞の足場形成部であるが、同時に二次リンパ組織として腹腔内抗腫瘍免疫の活性化の場であるという二 面性を持つ。本研究は、milky spotの特徴に着目し、腹膜播種に対する抗腫瘍免疫破綻の機序を解明する。同時に、Natural Killer T(NKT)細胞活性化ベクターを用い、免疫記憶を支える幹細胞様メモリーT細胞の誘導による治療を確立し、免疫記憶の誘導機構を解明する研究である。
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研究成果の概要 |
腹膜播種マウスモデルに作成し、進行が急激で予後不良であることを示した。腫瘍免疫微小環境の解析を行い、腹腔内サイトカインはG-CSF及びIL-6を著明に増加させること、これに伴いPMN-MDSCが病態と共に進行するこを示した。NKT細胞の活性化ワクチンベクターの質的評価を行い、NKT細胞は勿論のこと、NK細胞及びCD8+T細胞が誘導されることを確認した。腫瘍の皮下接種モデルに対する予防的な効果があることを示すことに成功し、肺転移モデルでの有効性も示すことに成功した。 現在は、腹膜播種モデルにおける治療成績を検証している段階である
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害剤の癌治療への導入以降、免疫が癌治療に与えるインパクトが十分であったが、次なる治療として、その耐性に対する克服が重要となる。NKT細胞及びα-Galが人間との相同性があるため、NKT細胞活性化ワクチンベクターを開発し、腹膜播種といった難治性癌モデルに対して、その克服に関して前臨床モデルで示すことができることは、非常に期待のできる治療であると考える。消化器癌治療への恩恵をもたらす社会的にも、有意義であると考える。
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