研究課題/領域番号 |
19K18106
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
鶴田 覚 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 再生医療センター, リサーチアソシエイト (50814365)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | マクロファージ / 自然免疫 / オルガノイド / ミニ腸 / iPS細胞 / 小腸 / 免疫 / 腸管オルガノイド / 疾患モデル / 炎症性腸疾患 / 小児期早期発症炎症性腸疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
近年患者数が急増している炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の新たなin vitro病態モデル確立により、疾患メカニズムを明らかにし新たな治療法開発へ展開する。 多能性幹細胞から高機能的な腸管オルガノイド(“ミニ腸”)が作製出来るようになった。本研究では、ミニ腸に対して腸管免疫機能を導入し、腸管細胞群と腸内微生物叢とのクロストークや免疫担当細胞の腸管の発生・成長や生理機能における役割の解明を可能とするバイオモデル開発を行う。加えて、患者特異的な腸管オルガノイドの応用を可能とし、機能性を獲得する成熟化を検証することで、乳幼児期発症の炎症性腸疾患の病態解明や治療法の確立へ貢献する研究を行う。
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研究成果の概要 |
ミニ腸の機能性獲得に関する成果で、組織マクロファージを内在化したミニ腸作製に成功した。ミニ腸に正着した組織マクロファージは、CD14(-)、IBA1(+)、CX3CR1(+)の生体小腸組織マクロファージと同様の特性を有していた。大腸菌パーティクルの貪食能試験では、病原体の貪食能を有することも確認できた。炎症性の各種サイトカイン、ケモカインを分泌することからも自然免疫応答を有する腸管オルガノイドの開発に世界で初めて成功した。本成果は、米国消化器病学会の学会誌へ受理された。試験管内で腸管の免疫応答を評価出来る画期的なバイオモデルであり、炎症性腸疾患の研究や創薬の発展に大きく貢献し得る成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸管発生・維持・成長の過程での腸管上皮系または間葉系の細胞と腸管免疫組織との機能的連携を再現し、腸管炎症における細胞内シグナルやサイトカインシグナルを評価できるこれまでにない極めてイノベイティブな難治性腸疾患研究のバイオモデルを構築することができた。世界初の免疫組織を有する高機能腸管オルガノイドでIBDにおける腸管炎症を再現するモデルを作り出し、未だ明らかになっていない疾患原因の究明とその新たな治療開発へ展開していく。また、これが実現すればIBDのみならず腸内細菌、腸管感染症や様々な難治性腸疾患の研究へも大きく貢献するものである。
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