研究課題/領域番号 |
19K18114
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東口 公哉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80804450)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵癌 / 腫瘍免疫 / 抗原特異的CD8 T細胞 / 次世代型フローサイトメトリー / 術前治療 / バイオマーカー / 抗原特異的T細胞 / 細胞障害性T細胞 / 次世代型フローサイトメーター / 免疫 / フローサイトメーター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、膵癌患者の様々な時相における血液中の血球(主にT リンパ球)の分布を最大50種類のパラメーターを同時に解析可能な世界最先端の次世代フローサイトメトリー技術を用いて解析することにより、膵癌における担癌状態での癌特異的免疫応答反応をProfilingする。これを臨床情報とlinkさせることで、膵癌特異的免疫応答反応のメカニズムを解明し、新規診断マーカーや予後予測マーカー、新規治療戦略の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、57例の膵癌患者から術前治療前、術前治療後、術後の3点で採取した末梢血単核細胞を4種の膵癌抗原ペプチド(CEA、MUC1、TERT、WT1)で刺激した際に生じる抗原特異的CD8 T細胞反応を次世代型フローサイトメトリーにて解析し、その臨床学的意義を検討した。その結果、術前治療前のIFN-γ 4-1BB double-positiveな膵癌関連抗原特異的CD8 T細胞の頻度が、術前治療に伴う血清CA19-9値の変化率と有意に逆相関 した(R=-0.556, p=0.011)。これにより、膵癌関連抗原特異的CD8 T細胞反応は術前治療の有効性に関連する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は手術以外に根治的な治療法が少ない難治性の悪性腫瘍であり、その予後改善のためには、化学療法や免疫療法などに対して治療抵抗性を示す膵癌の病態を詳細に解明することが重要である。本研究では、比較的簡便に採取可能な末梢血中のCD8 T細胞による腫瘍関連抗原(TAA)特異的免疫応答が術前治療の有効性に関連することを報告した。これは即ち、膵癌においても腫瘍微小環境内でTAA特異的CD8 T細胞が腫瘍抑制的に作用している可能性を示唆する貴重なデータである。また、実臨床においても、治療開始前の末梢血中に存在するTAA特異的CD8 T細胞の頻度が、術前治療の効果予測マーカーとなり得る点で有益である。
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