研究課題/領域番号 |
19K18116
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 総一郎 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (90804451)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線治療 / c-Met / 肝転移 / 膵癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、c-Met発現が放射線照射によって惹起されるかどうかを検証し、c-met高発現膵癌細胞の機能を明らかにするとともに、c-met阻害剤を化学放射線治療に加えた治療が化学放射線治療における遠隔再発の抑制につながるかどうかを検討する事を目的としている。
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研究成果の概要 |
膵癌におけるRTによるc-Metの発現変化及びその腫瘍学的意義について評価し、c-Met阻害薬の有用性について検討した。 まず膵癌細胞株へRT照射し、c-Met発現の誘導を確認した。また、FACSを用いて分離したc-Met高発現細胞での浸潤能の亢進を確認した。次にc-Met強制発現株を樹立し、誘導されたc-Metが浸潤能、遊走能の亢進に関与することを示した。最後に、c-Met阻害薬INC280による悪性能の抑制効果を示した。 以上より、膵癌NACRTへのc-Met阻害薬の追加により、c-Met発現誘導を介した悪性度の増強を改善し、より効果的な術前治療戦略の構築に繋がる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は非常に予後の悪い癌種であり、その予後改善には手術のみではなく集学的治療が必須と考えられている。その一つに放射線照射が挙げられるが、放射線照射は良好な局所制御効果が得られる一方で、一部の癌細胞の悪性能の亢進を惹起し遠隔転移を増加させる可能性が報告されている。 本研究では膵癌細胞が放射線照射に対してc-Met発現誘導を介して悪性能の亢進を認め、またc-Met阻害薬にてその悪性能亢進の抑制ができることが示された。 本研究の結果より膵癌に対するNACRTにより良好な局所制御効果と遠隔転移の抑制効果が期待でき、より効果的な治療戦略の構築に繋がる可能性が示唆された。
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