研究課題/領域番号 |
19K18117
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
萩原 清貴 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30781778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 上皮間葉移行 / 大腸癌 / PLXND1 / Notch |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌の浸潤、遠隔転移には上皮間葉移行が関わり、上皮間葉移行とNotch signalの関連が乳癌、大腸癌など様々な癌種で報告されている。しかし、Notch signalから上皮間葉移行につながるシグナルは解明されていない。今回着目したのはPLXND1という細胞膜貫通型膜タンパク受容体で、リガンドであるSEMA3Eと結合することで腫瘍の転移や浸潤に関与する。本研究では上皮間葉移行の上流にあるNotch signalからのシグナル解析を目的とし、その経路を明らかにすることで、Notch signal阻害によるEMTの抑制が癌治療の新たな選択肢となる可能性がある。
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研究成果の概要 |
大腸癌の遠隔転移機構である上皮間葉移行(EMT)のメカニズム解析を目的とした。PLXND1 knockdownで細胞浸潤能、遊走能の低下、化学療法に対する感受性の亢進、間葉系マーカーの低下を認めた。PLXND1のリガンド、SEMA3Eの活性に関わるFURINを阻害し、間葉系マーカーが低下した。次にPLXND1 knockdownとFURIN阻害薬を用い、EMT変化に伴うsignal解析を行うと、両者でリン酸化PI3K、AKTの低下を認め、PLXND1を介するEMTはPI3K/AKTを経由することが明らかになった。Notch signalとFURINの関連は明らかにはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
StageⅣ大腸癌の5年生存率は20.2%と、大腸癌死亡には遠隔転移が大きく関わり、遠隔転移機構である上皮間葉移行の制御が重要である。PLXND1を阻害することでEMTを抑制し、浸潤能や遊走能を低下させ、化学療法への感受性を亢進させることが明らかとなった。PLXND1を直接阻害することは困難であるがFURIN阻害を用いリガンドであるSEMA3Eの活性を阻害することでPLXND1を間接的に阻害することが可能となる。FURIN阻害剤は実用化には至っていないが、近年sh RNAによるFURIN阻害の研究が進んでおり、大腸癌のEMT制御に応用できる可能性がある。
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