研究課題/領域番号 |
19K18121
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
吉田 一博 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60824761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝内胆管癌 / 制御性T細胞 / 細胞障害性T細胞 / 抑制性免疫環境 / FCR / FCR (制御性T細胞、細胞障害性T細胞比 / 腫瘍免疫環境 / pre-metastatic niche / リンパ節転移 / DNAメチル化 / 遺伝子発現解析 / 免疫微小環境 / CD8 / Foxp3 / エピジェネティクス / DNA異常メチル化 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
肝内胆管癌は、根治切除後の再発率が高い治療抵抗性の難治性腫瘍である。腫瘍の悪性度把握と新規治療法の構築が急務だが、その指標は未だ確立されていない。私たちは、バイオインフォマティックアプローチにより、肝内胆管癌の発癌・進展に関与している候補遺伝子7つを同定した。これら発現異常は、DNA異常メチル化によって誘導されている可能性が高い。本研究は、本邦最大級の300例以上の大規模コホートから得た肝内胆管癌の切除検体、細胞株を用いて、候補遺伝子7つの制御機構と癌進展に及ぼす役割を解析するとともに、新規バイオマーカー・分子標的治療のターゲットとしての可能性を追求する。
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研究成果の概要 |
本研究では,肝内胆管癌周囲において細胞障害性T細胞中に集簇する制御性T細胞の比率が高いものは強い抑制性免疫環境が誘導され、肝内胆管癌の切除後予後を悪化させることを示した。また、一般的にリンパ節転移を有する肝内胆管癌では予後は極めて不良だが、原発巣に誘導される抑制性免疫環境は、腫瘍細胞の存在しないリンパ節の免疫環境に反映され、リンパ節転移を伴う肝内胆管癌でより強い抑制性免疫環境が誘導されていた。こうした事象は、原発巣にもたらされた抑制性免疫環境は、領域リンパ節においても抑制性免疫環境を誘導し、pre-metastatic nicheを形成していることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今後の肝内胆管癌の治療において、腫瘍免疫環境が重要な因子であり、治療標的となりうることを示唆するものと考えられる。特に、胆道癌に対して昨今では、免疫治療が積極的に導入される一方で、高額な治療薬をすべての胆道癌患者に導入することは医療経済学的も問題となり、より治療効果の高い患者群を選別する必要がある。そのなかで、肝内胆管癌の抑制性免疫環境が治療標的となりうることを鑑みると、本研究で提唱した腫瘍免疫環境は個別化医療に応用できる指標となりうると考えられる。
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