研究課題/領域番号 |
19K18129
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
松尾 泰子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (10812315)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大腸癌肝転移 / CD200 / 免疫療法 / 腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫療法のターゲットの一つにT細胞不活化経路が存在し,B7/CTLA-4,PD-L/PD-1などが報告されている.なかでも抗PD-1抗体による免疫療法はすでに臨床応用され,高い治療効果が報告されている.CD200/CD200R経路は,T細胞不活化経路の一つとして最近注目されている.一方,本邦における大腸癌の罹患数は増加しているが,肝転移に代表される進行症例の予後は,依然として満足なものではなく,有効な治療法の開発が課題である.これまで,大腸癌におけるCD200/CD200R経路についての報告はない.本研究では進行大腸癌のCD200発現に着目し,大腸癌予後改善に向けた新規治療の開発を目標とする.
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研究成果の概要 |
本研究では,T細胞不活化経路であるCD200/CD200Rに着目し,腫瘍におけるCD200高発現が大腸癌肝転移における独立した予後不良因子であることを同定した.さらに,CD200高発現例では腫瘍内浸潤リンパ球が有意に減少していることを発見した.以上より,CD200発現は大腸癌肝転移における腫瘍免疫を抑制することが証明され,免疫チェックポイント阻害剤の新規ターゲットとなり得る可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行大腸癌は経過中に50-80%に肝転移を認め,肝転移の制御が大腸癌の予後改善には必須である.化学療法の進歩により予後は向上しているが,切除したとしても治癒に至る例は30%程度であり,新規治療法が望まれる.近年免疫チェックポイント阻害剤が新たな癌治療薬として効果を示している.CD200も免疫チェックポイント分子であるが,本研究において大腸癌肝転移におけるCD200発現が腫瘍免疫を介した新たな治療ターゲットとなり得る可能性が示唆された.この結果はこれまでに報告がなく,非常に意義のある研究と思われる.
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