研究課題/領域番号 |
19K18130
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中村 広太 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30790802)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | CD70 / 膵癌 / EMT / 放射線 / 免疫治療 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌の治療成績は未だ極めて不良である.近年,癌免疫治療が注目を集めているが,CD70はT細胞上のCD27と結合し機能を亢進する分子である.一部の癌種では癌細胞表面上のCD70の発現喪失は予後と関連するため,一部のCD70低発現腫瘍に対しCD27作動薬投与により抗腫瘍効果を期待できる.免疫関連分子は放射線照射によってその発現が変化し得るが,放射線照射による腫瘍のCD70誘導がCD27作動性の役割を果たす可能性がある.本研究は膵癌細胞上のCD70発現有無による癌進展への影響,CD27作動薬投与によるCD70低発現腫瘍への抗腫瘍効果,放射線治療による免疫分子への影響を明らかにする事を目的とする.
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研究実績の概要 |
膵癌166例の切除標本を用いて,抗ヒトCD70抗体にて免疫染色を行った.CD70高発現を認めた42例を高発現群,その他122例を低発現群と定義し,両群間の臨床病理学的因子及び予後について比較検討を行なった.さらに,種々の手法を用いて,機序の解析を行なった. (1)臨床的意義:年齢,性別,術前治療の有無,T因子,N因子,組織型,術後補助化学療法の完遂率は,両群間で有意差を認めなかった.全生存率では両群間に差を認めなかったが(P=0.256),累積血行性転移率は発現群で有意に高率であった(P=0.017).術後補助化学療法完遂症例(N=110)に限り解析を行うと,発現群は有意に予後不良であり(P=0.027),累積血行性転移率についても有意に高率であった(P=0.005).(2)腫瘍内浸潤T細胞との関連:発現群において,CD8陽性T細胞の腫瘍内浸潤の抑制傾向(P=0.09),及びFOXP3陽性T細胞の誘導傾向(P=0.07)を認めたが,有意差を認めなかった.(3)上皮間葉転換との関連:凍結標本を用いた発現群におけるmRNAの解析では,CD70とVimentin, Snail, Twistら間葉系細胞マーカーとの正の相関を認めた.(3)膵癌細胞におけるCD70機能解析:CD70発現株であるPANC-1細胞を用いて,siRNA法による検討を行った.CD70 knockdownにより,E-cadherinの増加,Vimentin, Snail, Twistの減少を認め,また,増殖能及び遊走能は低下した.さらに,Gemcitabineにより,腫瘍の増殖は抑制されたが, CD70 knockdown により相加的に増殖抑制効果の増強を認めた. 膵癌において,CD70発現は多様な機序により腫瘍進展に関連し,今後,新規治療標的となる可能性が示唆されている.
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