研究課題/領域番号 |
19K18131
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
北谷 純也 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30596979)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | iPS細胞 / iPSDC / 樹状細胞療法 / 癌免疫療法 / ネオアンチゲン / iPS cell / dendritic cell / neoantigen / ivtRNA / 樹状細胞 / 免疫療法 / 固形癌 / Neoantigen |
研究開始時の研究の概要 |
私達は,マウスやヒトのiPS細胞からiPSDCsへの分化誘導に成功し,このiPSDCsに腫瘍関連抗原遺伝子 (TAA) を導入したiPSDCsは,TAA特異的な抗腫瘍効果を発揮することを報告した.しかし,単一の共通抗原を標的とした樹状細胞療法では,治療効果が低く,正常細胞への副作用も問題となる.癌組織は固有のNeoantigenを有することが報告され,Neoantigenの多い癌は免疫原性が高く,個別化癌ワクチン治療への応用が期待されている. 本研究において,Neoantigenを標的としたiPSDCsの作成を行い,副作用が少なく,且つ強力な抗原提示が可能な癌ワクチン療法の基礎的研究を行う.
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研究成果の概要 |
研究への参加の同意が得られた3名の大腸癌担癌患者の末梢血単核球からiPS細胞を樹立し、分化誘導したiPSDCsに腫瘍から抽出したmRNAを増幅したivtRNAを遺伝子導入した。iPSDCs-ivtRNAの刺激により得られたCTLsは、CTOS法でライン化した患者自身の癌細胞に対し、癌細胞特異的な細胞傷害性を示すことが、いずれの患者においても証明された。さらに、このワクチンシステムは、candidate neoantigen peptideを用いたELISPOT assayにより、neoantigenを介した免疫応答を誘導することを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、担癌患者における成熟能や抗原提示能の低下といった樹状細胞療法の弱点を克服するために、iPS細胞由来樹状細胞 (iPSDCs) を用いた癌ワクチン療法の基礎研究を行ってきた。本研究の目的は、正常細胞には発現せず、腫瘍における遺伝子変異によってのみ発現するneoantigenを標的とした、副作用が少なく、且つ強力な抗原提示が可能な個別化癌ワクチン療法の基礎的研究を行うことであった。本研究の結果からivtRNAワクチンは、neoantigenを介した強力な腫瘍特異的細胞傷害活性を示すことが証明でき、これは、難治癌克服への第一歩となると考える。
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