研究課題/領域番号 |
19K18135
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
冨田 知里 東京家政大学, 家政学部, 期限付助教 (60827385)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | VEGF受容体 / VEGFR / VEGF-R / 大腸がん |
研究開始時の研究の概要 |
血管新生阻害薬は固形がんにおける化学療法で広く用いられているが、その効果は一時的で抵抗性獲得が臨床現場で問題となっている。この薬剤の主な標的は3種類の血管内皮細胞成長因子の受容体(VEGF-R1,2,3)である。がん細胞もこれらを発現しており、薬剤ががん細胞に直接作用し、転移能を高めることも報告されているが、詳細な機能は未解明である。 申請者は、がん細胞が1~2種のVEGF-Rを異なる組み合わせで発現していることを見出した。それぞれの細胞の動きを観察・精査することでがん細胞に発現する受容体の働きを解明し、転移を根本的に阻止できる新たな治療薬・治療方法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は大腸がん細胞におけるVEGF受容体の役割を解明することを目的としている。大腸がん細胞が発現する複数種類のVEGF受容体のうち、どれを阻害した際に遊走能の亢進が生じるか検討を行った。成果としては、VEGF受容体の1に対する特異的阻害剤を大腸がん細胞に添加することにより、遊走能が亢進することを明らかにした。そのメカニズムとして、VEGF受容体1の阻害によりc-Metのリン酸化が亢進することを明らかにした。VEGF受容体1はVEGF阻害薬使用時における遊走能の獲得に重要な役割を有する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
VEGF(血管内皮増殖因子)やVEGF受容体を標的とした血管新生阻害治療は固形がんにおける化学療法において中心的な役割を果たしている。しかしながら、その効果は一時的であり、多臓器への転移など治療抵抗性を獲得することが臨床現場で問題となっている。本研究は、がん細胞に発現するVEGF受容体と血管新生阻害薬の関係に着目し、がんが治療抵抗性を獲得する仕組みを解明することを目的としている。得られた知見を応用し、転移を根本的に阻止できる新たな治療方法の開発を目指す。
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