研究課題/領域番号 |
19K18137
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
島田 慎吾 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (40755576)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脂肪肝 / 虚血再灌流障害 / 肝癌細胞 / イメージング質量分析 / イメージング質量分析法 / 肝細胞癌 / 腸内細菌叢 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪肝を背景とした肝癌切除後における予後因子を探索し、予後改善策を見出す。 脂肪肝を背景とした肝癌モデルを作成し、肝切除モデル、probioticsおよびprebiotics治療のモデルを作成し、a) 肝障害、b) 肝再生、c) 線維化、d) 発癌を評価する。残肝を質量分析イメージング゛法(IMS)で解析し、予測マーカーを見出す。probioticsとして、①Lactobacillus、②Bifidobacterium、③Akkermansiaの投与を行う。prebioticsとしてオリゴ糖の投与を併用する。メトホルミン投与による相互作用も検証する。肝切除前後での腸内細菌叢の変化を検討する。
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研究実績の概要 |
【方法】1)脂肪肝ラットの70%の部分温虚血、再灌流モデルを作成し、虚血時間を45, 75分とした。虚血終了時、再灌流後1, 6時間に肝臓、血液を採取した。2)ラット70%肝切除モデルを確立した。3)肝癌細胞株を用いて、脂肪変性や虚血再灌流に伴うストレスが、微小環境の変化を介して肝細胞がんの増殖、転移に与える影響をin vitroで検討した。【結果】1)血中ALT, AST、傷害(病理)スコアは再灌流6時間までにピーク値をとり、虚血時間依存的に、また、脂肪肝でより強く傷害された。これらの評価では虚血終了時に虚血時間依存した群間差を認めず、術後早期の肝機能障害、肝転移促進要因、肝再生不良等の予測は困難であった。肝組織切片をイメージング質量分析(MS)法で解析すると、陰イオンモード、m/z 200~1500 の範囲で検出された200以上のピークのうち、虚血時間の相異、あるいは、脂肪肝の有無で比較し、虚血終了時に有意な違いを認めた物質の推移を検討した。これらの物質は、虚血中に増減し、再灌流後にさらに変化が増強する、正常肝の値に復する等の幾つかの推移を呈した。側鎖構成が異なる数種のLysophosphatidylinositol(LPI)が虚血時間依存的に虚血中に蓄積し、肝臓のZone1に蓄積していた。これらの変化は脂肪肝で増強され、Pringle法併用肝切除における、innate immunity増強、癌細胞の接着、浸潤に影響を与える可能性 が見出された。 2) ラット70%肝切除、3) 肝癌細胞株の脂肪酸 (オレイン酸、パルミチン酸) 添加培養等のモデル作成に着手し、概ね安定した。 2022年度は帰国後、4月より市中病院勤務のエフォートが過大になり、COVID-19の影響もあいまって、思うような進捗が得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年4月より市中病院勤務のエフォートが過大になり、申請者単独研究として進めることが困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
申請者は2023年4月から研究機関の常勤となったため、臨床業務と並行して研究を進めることが可能であると考える。
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