研究課題/領域番号 |
19K18146
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野間 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20804462)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 免疫 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 食道癌 / 癌免疫微小環境 / Immunoscore / 化学療法 / 内視鏡生検 / 外科手術 / CD8 / CD3 / TIL / イムノスコア / CD45RO |
研究開始時の研究の概要 |
予後不良である食道癌における個別化医療の確立には正確な治療効果・予後予測システムの構築が急務である。他癌種においては腫瘍免疫の新概念として腫瘍中心および腫瘍周囲のTILを定量化する「immunoscore」が近年提唱され、主に大腸癌にて予後との深い関連性が報告されているが、NACにより免疫微小環境に大きな修飾が想定される食道癌手術切除標本でのimmunoscoreを含めたがん免疫微小環境評価の意義は大部分が不明である。本研究では食道癌の切除標本または内視鏡生検検体でのimmunoscore評価の妥当性の検証とそれらの予後・治療効果予測における有用性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
食道癌では未だ報告のない、切除標本における腫瘍中心部と辺縁部の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を測定しスコア化する新評価法であるImmunoscore(IS)が、術後の予後を予測する可能性が示された。また、化学療法前内視鏡生検標本を用いたTIL評価による化学療法の効果予測の可能性も明らかにした。今回、食道癌外科切除標本300例のTILとしてCD3及びCD8陽性リンパ球を免疫染色し、ソフトウェアを用いてIS化し検討した結果、特に進行症例においてIS高値な程、予後良好となった。また同様に化学療法前の食道癌内視鏡生検標本146例で生検中のTIL密度が高いほど、術後の組織学的治療効果が高いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究で、食道癌の術前無治療外科切除標本においては、immunoscoreが高いほど良好な予後と相関し、術前化学療法前の内視鏡生検検体では、治療前のTIL密度が高いほど化学療法が奏功した。本研究での知見により、現在、食道がんのみならず種々のがんで、国際的に使用されている、TMN分類に代わる、新たな免疫予後予測の評価法として可能性を見出した。また、化学療法前の生検検体を用いて、治療効果を予測することで、患者さん個々のオーダーメイド治療の確立に大きく貢献し、最終的には食道がん全体の治療成績の改善につながるものと期待される。
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