研究課題/領域番号 |
19K18155
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
徳永 竜馬 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (20594881)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ARID1A / 大腸癌 / クロマチンリモデリング因子 / マイクロサテライト不安定性 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 免疫治療 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は本邦における癌罹患数および臓器別癌死亡数で上位を占め、世界的に研究がすすめられている癌腫である。申請者らは大腸癌における分子学的背景や患者および癌の免疫学的背景に注目した実臨床との橋渡し研究に携わってきた。ARID1Aはクロマチンリモデリング因子であり、その変異は癌におけるマイクロサテライト不安定性と強い相関を示す。近年、ARID1A変異が卵巣癌において免疫チェックポイント阻害剤の効果予測因子になる可能性が報告されたものの、多数の臨床検体を用いてその有用性を示した報告はない。本研究の目的は、大腸癌においてARID1A変異がきたす現象変化を明らかにし、治療ターゲットになりうることを解明することである。
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研究成果の概要 |
我々は大腸癌の臨床病理学的/分子学的特徴に対するARID1A変異の関連性を7978 症例の臨床サンプルを用いて検討した。ARID1A変異は右側および早期大腸癌に多く認め、免疫治療に対し効果良好である因子をもち(MSI-high TMB-high PD-L1-high CTL-high)、MSI-highを伴わないARID1A変異大腸癌においてもTMB-high PD-L1-high CTL-highの特徴を認めた。さらにARID1A変異はDNA修復経路に属する遺伝子との共変異を多く認め、化学療法/放射線療法の効果予測因子である遺伝子の発現量と有意に相関していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌は本邦における癌罹患数および臓器別癌死亡数で上位を占め、世界的に研究がすすめられている癌腫である。ARID1Aはクロマチンリモデリング因子であり、各癌腫において比較的高率にその遺伝子変異を認めると報告されている。我々は大腸癌においてARID1A変異がきたす現象変化を明らかにし、新規治療標的を開発することを目標に研究を行った。今回の研究においてARID1A変異が大腸癌における免疫チェックポイント阻害剤および化学療法/放射線療法の効果予測因子である可能性を初めて示すことができた。これは大腸癌のみならず各種癌に対する治療法確立につながる可能性がある。
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