研究課題/領域番号 |
19K18157
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
大見 関 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60825488)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 膵癌 / 血管新生 / NF-kB / VEGF / IL-8 / anigiogenesis / 抗腫瘍効果 / エスシン / NF-κB |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は消化器癌のなかでも悪性度の最も高い癌である.根治手術を行っても5年生存率は20%に満たず,抗癌剤や放射線治療の効果も十分ではない.膵癌に抗癌剤が効きにくい理由として,癌細胞内の NF-κBの活性が高く,血管新生能が高いことが言われている.NF-κBの抑制により,腫瘍の血管新生因子のVEGFやIL-8の産生は低下し,腫瘍増殖にかかわる血管新生は抑制される.NF-κBは新規分子標的薬剤のターゲットになりうると考えられる.低用量でNF-κBの活性を抑える新規薬剤の開発を求めて西洋トチノキ由来の天然化合物エスシンに着目した.各種実験にてその抗腫瘍効果を確認していく.
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研究成果の概要 |
転移能の高い膵癌はNF-κB の活性が高く血管新生因子の産生能を亢進し悪性度を高めている。エスシンが膵癌のNF-κB活性を抑制し血管新生能が低下するかを検討した。エスシンは一定濃度において細胞増殖を抑制した。NF-κBの核内移行を抑制し、活性が低下することをNF-κB ELISAで確認した。Western blottingでは、細胞質、核内でtotal NF-κBだけでなく、リン酸化NF-κBの活性低下をみた。RT-PCRとELISAではIL-8やVEGFの遺伝子発現とタンパク産生が低下していた。エスシンは、不死化ヒト内皮細胞の管腔形成能を低下させた。エスシンは膵癌の血管新生能を低下しうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は悪性度が極めて高く、より効果のある新規治療薬の開発は急務である。我々は今までに、膵癌の転移や血管新生に転写因子NF-κBが重要な役割を果たしていることを報告してきた。転移能の高い膵癌は恒常的にNF-κB の活性が高く、その下流のVEGFやIL-8といった血管新生因子の産生能を亢進し悪性度を高めている。以上より、NF-κBは新規分子標的薬のターゲットになりうるが、既存のNF-κB阻害薬は副作用が強く長期投与が困難で、膵癌では臨床応用に至っていない。今回、天然化合物エスシンが膵癌の血管新生能を低下させることが示唆されたため、動物実験等を今後行い、臨床応用につなげられる可能性がある。
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