研究課題/領域番号 |
19K18158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
廣川 高久 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40592499)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DNAダメージ応答 / G2/Mチェックポイント阻害剤 / 細胞周期 / 大腸癌 / 治療増強効果 / AZD6738 / 5-FU / G2/M チェックポイント阻害剤 / G2/M期チェックポイント阻害剤 / TFTD / 抗がん治療耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
TAS-102は直接DNA合成を阻害する新たな作用機序をもち、従来の治療に抵抗する症例への効果が期待される。TAS-102はチミンの類似物質であるTrifluridine(FTD)が細胞周期のS期でDNAに取り込ま れることにより作用し、細胞の生死はG2/M期チェックポイントに依存している可能性が高い。我々は細胞周期のG2/M期チェックポイントを阻害し抗がん治療の増強効果が得られることを報告した。本研究では、FTDに対する大腸癌細胞のDNA損傷応答のメカニズムを解明し、治療効果の増強に導く方法の開発、さらには臨床応用を目指していく。
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研究成果の概要 |
今回G2/Mチェックポイント阻害剤としてAZD6738を用いて実験を行った。大腸癌株において5-FUおよびFTDのいずれにおいてもG2/Mチェックポイントで細胞周期が停止することを確認し、AZD6738で解除されることを確認した。大腸癌のkey drugである5-FUを用いて、AZD6738の治療増強効果を検討した。その結果、培養細胞およびマウス皮下移植モデルのいずれでも抗腫瘍効果の増強作用が認められた。この実験をもとに、FTDでも同様に研究を行った。FTDでも培養細胞およびマウス皮下移植モデルのいずれでも抗腫瘍効果の増強作用が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究は、今までにないDNAダメージ応答に着目した治療増強効果である。また、大腸癌の治療に対して抵抗性を示した後方ラインで使用される薬剤に対して治療増強効果が示された。この成果は実臨床において治療開発のブレイクスルーになるとともに、後方ラインでの治療効果の向上は、進行再発大腸癌の治療成績の改善に大きく影響を与えるものである。多くの人が罹患し、死亡する大腸癌の治療成績の向上は社会的な意義は非常に大きい。 また、今回着目した手法は薬物療法のみならず、放射線治療などDNAダメージを機序とする抗腫瘍療法に応用できるもので学術的意義も大きい。
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