研究課題/領域番号 |
19K18160
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
工藤 道弘 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20804264)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 癌幹細胞 / 大腸癌 / イオン輸送体 / 細胞容積 / 低浸透圧刺激 / アクアポリン / カルシウムウイオン / 分子標的治療 / 細胞生理学 / イオンチェネル |
研究開始時の研究の概要 |
当研究室の解析結果から、癌幹細胞では細胞内のカルシウム濃度に関連するイオン輸送体が高発現していることが判明している。細胞内のカルシウムイオン濃度の調整はアポトシーシスに関与することから、これらが癌幹細胞における様々な治療抵抗性の一因となっている可能性がある。そこで、薬剤を用いて癌幹細胞におけるこのカルシウム動態を破綻させ、細胞死へ導けないか基礎、動物実験で検証する予定である。
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研究成果の概要 |
大腸癌幹細胞における細胞生理学的特徴を評価すべく、培養可能な大腸癌幹細胞株を作成し、これらに対して網羅的遺伝子解析を施行した。その結果、細胞容積の変化に関与する遺伝子が癌幹細胞において、特徴的な発現変化を示していることが判明した。細胞容積の変化は、癌のプラグラム細胞死であるアポトーシスや癌の進展に関与する遊走、浸潤に関連していることが報告されている。そこで、実際に細胞容積の変化が通常の癌細胞と比較して癌幹細胞において差異があるかを評価したところ、癌幹細胞において低浸透刺激による細胞膨張が抑制されており、さらに低浸透圧刺激による細胞死に対して抵抗性を有していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌幹細胞において、細胞容積調整に関連するイオン輸送体が高発現し、また低浸透圧刺激に対して耐性を有するという報告は、未だに世界的にも報告されていない。癌幹細胞は過酷な環境下でも生存し、かつ再発や高悪性度の細胞集団の形成に関与すると報告されており、この細胞生理学的特徴を明らかとすることは今後の基礎研究の発展に大いなる進歩を与える可能性がある。
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