研究課題/領域番号 |
19K18161
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
岩佐 陽介 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30812317)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大腸癌 / CD200 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌治療は新規抗癌剤や分子標的薬に加え,最近,免疫チェックポイント阻害薬の導入が検討されている.免疫回避機構関連分子でありながら,癌幹細胞マーカーでもあるCD200は,腫瘍の増殖や抗癌剤耐性などに関与することが示唆されている.今回,大腸癌におけるCD200の発現意義を切除標本,培養細胞,マウス皮下腫瘍モデルを用いて検討する.またマウスにおいて治療モデルを作成し,CD200を含めた幹細胞マーカーが既存の抗腫瘍治療に対して及ぼす影響を評価することで,CD200をターゲットとした新たな大腸癌 の化学療法の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
CD200とはリンパ球などの細胞の表面に出ている分子であるが,癌細胞にも発現していると報告されている.今回,ヒト大腸癌細胞におけるCD200の発現と予後との関連について免疫染色を用いて検討を行い,CD200発現が多い群は少ない群と比べて予後が不良であり,他の年齢や深達度やリンパ節転移などの臨床データと比較し,統計学的に独立した予後不良因子であることが示された.また,CD200が多く発現している大腸癌は少ない大腸癌よりも肝臓や肺などへの転移が多いという結果であった.また,何らかの形で化学療法抵抗性を有していることが臨床データとの関連から示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌の治療は進歩し予後は向上してきているが,さらなる予後向上のためには新たな治療法の開発が望まれる.免疫療法が臨床応用されてきているが,大腸癌患者において現状恩恵を受ける患者は限定される.CD200も免疫回避機構を有すると報告がされていること,また,今回の結果から何らかの化学療法抵抗性に関与している可能性があり,今後さらなる機能解析が進むことで,新たな癌治療薬として臨床応用されることが期待される.
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