研究課題/領域番号 |
19K18164
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 庸博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80742775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | NF-kB / miRNA / マイクロアレイ / 膵癌 肝転移 / 腫瘍マーカー / hco-miR-2159-3p / hhi-miR-7641 / mmu-miR-7686-5p / 膵癌肝転移 / 遺伝子治療 / 膵癌術後肝転移 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は肝転移の有無が予後を左右する重要な因子だが、しばしば術後早期にもみられ、術後の治療成績にも影響する。術後の早期肝転移の原因として、術前すでに画像で診断できない小転移が存在する可能性の他に、術中の授動手技による癌細胞の飛散と経門脈的な転移経路が考えられる。 本研究は、マウスモデルを用いて浸潤・転移に関与するシグナルをNF-κB 阻害剤の周術期投与により抑制、その際に変動するmiRNAを同定し、miRNAの標的遺伝子を絞り込み、遺伝子治療により肝転移を抑制することを目的とする。本研究の成果は、ヒトの膵癌肝転移の予防に向けて基礎的な知見を提供する。
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研究実績の概要 |
膵癌術後早期の肝転移は予後を左右する重要な問題である。膵癌細胞では恒常的に炎症性転写因子である nuclear factor-kappa B (NF-kB) が上昇しており、癌細胞の増殖や転移が促進される。また、NF-kBは抗癌剤投与によっても上昇し、薬剤抵抗性を生じることが知られている。 膵癌早期肝転移の予防のため先行実験として膵癌肝転移マウスモデルを作製し、NF-kB阻害剤投与により膵癌肝転移が抑制されることを確認した (Saito N et al, Surgery, 2019)。そこで今回、ターゲット遺伝子を同定するため、同マウスモデルにおいてNF-kB 阻害剤投与前後で変動するMicro RNAを解析した。 マイクロアレイ解析の結果、手術のみを施行したSham群と癌細胞を接種し治療を行わないControl群で比較したときにmiRNA発現が増強 (Log-ratio 1.5以上)していたmiRNAは21個同定された。一方でControl群とNF-kB阻害剤を投与した治療群で比較したときにmiRNA発現が低下 (Log-ratio 0.5以下)していたmiRNAは22個同定された。それらで共通するmiRNAとして、hco-miR-2159-3p、hhi-miR-7641、mmu-miR-7686-5pの3つのmiRNAが同定された。 上記結果より、膵癌肝転移抑制に関わるmiRNAとしてhco-miR-2159-3p、hhi-miR-7641、mmu-miR-7686-5pが示唆された。これらは転移の抑制の新規治療ターゲットや転移時早期のマーカーとして有用な可能性がある。これらが膵癌の早期肝転移に実際に及ぼす影響についてはさらなる検討を要する。
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