研究課題/領域番号 |
19K18190
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
松岡 孝幸 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80816447)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 起炎菌同定法 / 16S rRNA遺伝子 / 起炎菌 / 細菌感染症 / 血流感染症 / 実現可能 / 感染性疾患 / 心臓血管外科 |
研究開始時の研究の概要 |
感染性大動脈瘤は比較的稀ではあるが今もなお致死率が高い疾患である。治療として、原因となっている菌(起炎菌)に対して有効な抗菌薬を早期に開始することが肝心であるが、通常行われる血液培養検査では迅速に起炎菌を同定することができず、転機を悪くしている一因と考えられる。 「16S rRNA配列解析」は、全ての細菌に共通する塩基配列を増幅し、その中に含まれ、菌種ごとに固有の配列を読むことで菌種の同定を行う方法であり、培養に依らない新規起炎菌同定法として着目されている。現在、手術時に採取された検体から検出可能であるが、本研究では、感度向上を図り、より菌量の少ない血液検体から検出できる手法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
「16S rRNA遺伝子の塩基配列決定による起炎菌同定法」の感度向上を目指した本研究によって、これまでに、感染性大動脈瘤患者などを対象に、血液検体及び組織検体から起炎菌の同定を図ってきた。これまでに23検体中21検体で起炎菌同定、あるいは陰性の一致を確認できており、感染性動脈瘤や縦隔炎の起炎菌としては世界で初となる菌種の同定にも成功した。さらに一部の症例では、含有菌量が格段に少ない血液検体からも起炎菌を同定することができ、既存の検査法よりも早期に結果が判明するなど、本研究手法が感染症治療にとって有益な情報、有効な検査手法になり得ることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌種同定法として有用な「16S rRNA遺伝子の塩基配列解析による細菌同定法」の基本原理を維持し、感度向上を図った本研究手法により、血液検体に含まれるごく微量な細菌をも検出できる可能性が示された。本研究手法の確立は、これまでの細菌培養に基づく起炎菌同定法のネックとなっている、時間的制約、検査感度の大きなブレイクスルーとなり、早期に標的を絞った抗菌薬治療が可能となる。これは、感染性疾患の予後改善効果のみならず、医療コストの軽減、耐性菌出現リスクの軽減に直接的に貢献できるものと考えられる。
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