研究課題/領域番号 |
19K18195
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山本 暢子 (河野 暢子) 関西医科大学, 医学部, 助教 (90580689)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 下肢閉塞性動脈硬化症 / 重症下肢虚血 / 灌流指標 / Perfusion Index / 包括的高度慢性下肢虚血 / 閉塞性動脈硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
閉塞性動脈硬化症の中でも潰瘍壊死を伴ういわゆる重症下肢虚血は、瞬時に血行再建を行っても創部治癒に時間を要し、その間の運動機能低下なども含めると医療経済への負担も多大である。一方で閉塞性動脈硬化症の重症化を予測する指標は確立されていない。我々はPerfusion Index (PI:灌流指標)を用いて閉塞性動脈硬化症での足趾の灌流指標を測定し、末梢動脈疾患が重症になるにつれ灌流指標が低下することを明らかにし、重症化のカットオフ値を算出することができた。今回の研究では、このカットオフ値を用いて、実際に灌流指標がカットオフ値を下回る患者で閉塞性動脈硬化症が重症化するのかを前向きに検討していく。
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研究成果の概要 |
Perfusion Index(PI)はパルスオキシメーターによる末梢灌流状態を表す指標であり末梢動脈疾患(PAD)の早期発見・重症度の識別が可能か検討した。2015年3月~2016年8月に当科を受診しPIを測定したPAD患者70人79肢を対象にPIとPAD重症度との関連を検討した。PIはPADが重症になるにつれ低値となり、PI 平均値・最低値でF1(無症候・冷感)/F4(潰 瘍)群間に、PI 最高値でF1/F2(跛行)群間・F1/F4群間に有意差を認めた。またPI平均値で重症下肢虚血(CLI)のカットオフ値を0.27と設定すると、カットオフ値以上の跛行例ではCLIに進行しない症例が多かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の下肢血流評価として血圧脈波検査(ABI)・皮膚環流圧検査(SPP)があり、ABIは簡便であるがメンケベルク型動脈硬化では偽高値になることがあり、SPPは下肢の虚血状態を正確に判断できるが検査に時間を要するため頻回に検査できないというそれぞれの利点・欠点があった。PIはベッドサイドで酸素飽和度を測定する要領で簡便に検査でき、かつ末梢環流を反映しているため下肢閉塞性動脈硬化症患者とりわけ重症下肢虚血患者での血流を細かに評価し増悪傾向を早めに把握する一助となる可能性が示唆された。
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