研究課題/領域番号 |
19K18210
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊藤 温志 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (80783133)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 2型自然リンパ球 / がん / 腫瘍微小環境 / 骨髄由来免疫抑制細胞 / 転移性肺がん / 肺がん微小環境 / 間質性肺炎合併肺がん / 癌浸潤 / 癌転移 / 微小環境 / インテグリン / 間質性肺炎合併肺癌 / 自然リンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「間質性肺炎合併肺癌において、2型自然リンパ球(ILC2)の過剰なインターロイキン-13産生が、M2型マクロファージに加え、単球系骨髄由来免疫抑制細胞(M-MDSC)をも活性化して抗腫瘍免疫を抑制し、その結果線維化に加え肺癌増殖を促進する微小環境を誘導している」という病態モデルを提唱し、肺癌手術組織標本の解析により、この病態モデルを検証することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
2型自然リンパ球(ILC2)は、癌の種類や微小環境に影響されて腫瘍抑制および腫瘍促進の相反する二つの作用を有することが知られている。我々は乳癌肺転移モデルマウスを用いて、乳癌肺転移におけるILC2が果たす役割を検討した。micro-metastasis、macro-metastasisにおけるILC2の数や頻度に変化はなかったが、macro-metastasisにおいてはILC2の細胞表面マーカーやサイトカイン産生能が活性化していた。更に、ILC2から産生されるIL-13を介して骨髄由来免疫抑制細胞が活性化され、転移カスケードを通して腫瘍増殖を許容する微小環境を構築している可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌治療においては免疫チェックポイント阻害薬の開発により治療成績の向上が目覚ましいが、現状ではまだその効果が得られる患者は10-30%と限定的である。本研究では乳癌肺転移モデルマウスを用いて、乳癌肺転移においては2型リンパ球と骨髄由来免疫抑制細胞の相互作用により腫瘍増殖を許容する微小環境を構築している可能性を見出した。今後、腫瘍微小環境におけるこれらの自然免疫細胞の働きの解明が進むことで、更なる免疫療法の開発や癌予防に繋げていくことが期待される。
|