研究課題/領域番号 |
19K18215
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
春木 朋広 鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (20529416)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 小細胞肺癌 / Lurbinectedin / POU2F3 / 肺高悪性度神経内分泌癌 / 大細胞神経内分泌癌 / 転写因子 / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、原発性肺癌の中でも悪性度が高く予後不良な肺高悪性度神経内分泌癌について、その生物学的特徴を表すASCL1とNEUROD1の発現によるPhenotype分類を行う。 さらに、治療選択肢の少ない肺高悪性度神経内分泌癌に対する新規分子標的治療薬の薬剤感受性を、細胞株や腫瘍マウスモデルを用いて検討し、それらの薬剤の効果予測バイオマーカーとなる遺伝子異常とPhenotypeがどのように関連しているかを検討し、今後の新たな治療展開に結びつく発見を導き出す。
|
研究成果の概要 |
小細胞肺癌(Small cell lung cancer: SCLC)は悪性度が高く予後不良である。近年、4つの転写因子ASCL1、NEUROD1、POU2F3、YAP1の発現状況でSCLCのサブタイプを分類する方法が提案された。それらの転写因子の発現状況と、新規薬剤であるLurbinectedinの効果との関連を検討した。8つのSCLC細胞株で検討したところ、POU2F3発現とLurbinectedinの効果に有意な相関関係を認めた。外科切除されたSCLCの免疫組織化学ではPOU2F3サブタイプは約15%に認め、Lurbinectedinの効果予測バイオマーカーとしての可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小細胞肺癌は難治がんの代表で、外科切除が出来た症例でも早期に再発を来すことが多い。根治には薬物療法が必須だが、効果が得られる薬剤は少なく、予後不良の原因となっている。近年、新規薬剤による治療開発が少しずつ進んでいるが、薬剤の効果が予測できるバイオマーカーは少ない。本研究では、小細胞肺癌細胞株における転写因子のPOU2F3発現が、新規薬剤のLurbinectedinの効果と有意な相関関係を認め、このPOU2F3がLurbinectedinの効果予測バイオマーカーとなる可能性が示唆された。治療薬の選択肢が少ない小細胞肺癌で、個別化医療を推進する発見の一つであり、本研究は一定の学術的意義を有する。
|