研究課題/領域番号 |
19K18216
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
諏澤 憲 岡山大学, 大学病院, 助教 (90839713)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | MET肺がん / 薬剤耐性 / 分子標的治療 / MET / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
MET遺伝子異常(増幅・変異)は、がんの発生・進展に重要な役割を担うドライバー変異である。中でも、METエクソン14欠失変異は肺腺がんの3-4%を占めており、MET異常肺がんに対するMET標的療法の導入が期待されているが、標的療法においては薬剤に対する耐性化が問題となるため、今後、同様にMET標的療法に対する耐性とその克服が課題となることが予想される。しかしながら、現時点ではその対策はほぼ皆無であり、MET標的療法の導入を見据え、本課題に対する取り組みが急務である。本研究では、MET異常肺がんについて、標的療法に対する耐性機序を解明するとともに、その克服法を開発し、がん治療成績の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はMET肺がんの分子標的治療に対する耐性機序の解明およびその克服を目的とした。MET遺伝子増幅を有する肺癌細胞株H1993とEBC1のクリゾチニブ(MET阻害薬)耐性株を樹立し、以下の3種類の耐性機序を明らかにした。①MET遺伝子増幅の消失、さらにEGFR遺伝子の変異および増幅による耐性獲得。EGFR阻害薬アファチニブの併用による増殖抑制効果あり。②SERPINE1発現上昇による耐性獲得。SERPINE1阻害剤併用による耐性克服を確認。③上皮間葉移行(EMT)およびMEK/MAPK経路活性による耐性獲得。MEK阻害剤トラメチニブ併用により増殖抑制効果あり。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子標的治療の確立には、遺伝子プロファイルに基づき、いかに治療が奏功する集団を抽出できるかが鍵となる。また分子標的薬は、治療当初は著効するが、ほぼ全例で最終的に耐性化を来すといった治療獲得耐性も重要な問題となる。MET標的療法でも数多くの耐性に関与する機序が存在することが予想さるが、現時点では未だ十分な知見は得られていない。本研究では、MET標的に対する複数の新規耐性機序が示された。この知見は肺がん治療成績の向上につながるものであり、社会的にも意義が大きいと考えられる。
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