研究課題/領域番号 |
19K18224
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
渡部 晶之 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80834324)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 悪性胸膜中皮腫 / タイト結合 / Claudin / モノクローナル抗体 / タイト結合分子 / 診断マーカー / 予後予測因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,タイト結合分子CLDN15およびAngulin-3/ILDR2に着目し,悪性中皮腫の新規診断・治療標的としての意義を明らかにする.まずヒト胸膜中皮腫症例を用いて両分子の発現と臨床病理学的因子の相関を明らかにする.次にin vitro/vivoにおける両分子のgain/loss of functionを評価し,中皮腫の悪性形質に及ぼす影響やそのシグナル伝達機構を解明する.また両分子の細胞外ドメインを認識する阻害抗体を開発し,中皮腫の血清診断や分子標的療法を目指した基盤研究を行う.
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研究成果の概要 |
悪性胸膜中皮腫は悪性度が高く予後不良な疾患です。迅速でより確実な診断を行うためには、複数の診断マーカーが必要となります。本研究では、細胞間タイト結合を形成するCLDN(Claudin)に着目し、25種類あるCLDNからCLDN15が中皮細胞に高発現していることを発見しました。また、CLDN15を認識するモノクローナル抗体を作製し、CLDN15が悪性胸膜中皮腫の新規診断マーカーとして有用かどうかの検討を行いました。悪性胸膜中皮腫の陽性率は83%と高く、CLDN15は悪性胸膜中皮腫診断における新規診断マーカーとして有用であり、臨床現場でも使用できる可能性を示すことができました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性胸膜中皮腫は種々の悪性腫瘍に類似した多彩な組織像を示すため、診断に難渋することがあります。特に浸潤性肺腺癌とは、臨床的にも病理組織所見的にも類似していることがあります。しかし、両者の治療方法はまったく異なるため、より迅速でより正確な診断が必要となります。既存のマーカーは偽陽性や偽陰性を示すことがあり、新たなマーカーの開発が求められております。本研究でCLDN15が悪性胸膜中皮腫の新規診断マーカーとして有用であることを示せたことで、悪性胸膜中皮腫の診断が今までより速く正確に行うことが可能となり、早期治療介入が可能となることが予想されます。
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