研究課題/領域番号 |
19K18264
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
篠原 彩子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50792967)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 咳反射 / リドカイン / 二酸化炭素 / 全身麻酔 / 覚醒 / 高炭酸ガス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、『全身麻酔覚醒時高炭酸ガス血症に維持された患者では、リドカイン静脈内投与が覚醒前咳反射を抑制する』という研究仮説を、二重盲検によるランダム化比較試験で科学的に検証することである。 高炭酸ガス血症もリドカインも気道反射抑制作用が報告されているが、それぞれ単独では抜管直前の咳反射抑制効果は臨床的に求められるレベルではない。両者の相乗効果を抜管時の咳反射抑制効果として活用する。咳反射は、より重篤な呼吸循環合併症や再出血などの手術治療への悪影響を及ぼす。本研究は今後の抜管ガイドラインの科学的エビデンスを提供し、全身麻酔覚醒時の安全性向上のために大きく貢献することが期待できる。
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研究実績の概要 |
全身麻酔からの覚醒・抜管直後や術後早期は呼吸循環動態が大きく変動し、重篤な呼吸循環イベントが起こりやすい危険な時期である。2012年にDifficult Airway Societyから抜管のガイドラインが公表されたが、覚醒過程での咳は有害な気道反射として抑制することが円滑な覚醒につながる点が強調された。 我々は先行研究において全身麻酔覚醒時の高炭酸ガス血症は覚醒時間を短縮させ、術後早期の呼吸循環イベントを減少させることをランダム化比較試験で証明することに成功したが、咳反射抑制作用を証明することはできなかった。 本研究の目的は、リドカイン投与と高炭酸ガス血症を併用することで全身麻酔からの覚醒直前の咳反射を予防することができるかどうかを検証することであった。これまでの研究ではリドカインの抜管時咳反射抑制効果は否定的であるが、高炭酸ガス血症下ではリドカインの血中あるいは中枢神経系での濃度が増加することが報告されており、両者の相乗効果が期待できる。全身麻酔からの覚醒に関するガイドライン作成にも貢献できる臨床研究であると考えた。 先行研究である、血中二酸化炭素ガス分圧が麻酔覚醒過程に及ぼす影響のランダム化比較試験についての研究結果を日本麻酔科学会第66回学術集会にて発表した。発表は評価され学会の呼吸部門で優秀演題に選出された。また同時に本学会で研究に関する情報収集を行い、研究の方向性や実際に使用する機器の検討などを合わせて行った。
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