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δオピオイドの情動回路における機能解析と慢性疼痛治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K18279
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

小笠原 治  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10791147)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード神経障害性疼痛 / 島皮質 / δオピオイド / 慢性疼痛
研究開始時の研究の概要

慢性疼痛は、体性感覚野だけでなく、痛みの情動面を司ると言われている島皮質等が症状の発現に関わっていると推察されているが、その機能は不明である。また、情動回路にδオピオイド受容体が多く存在することは古くから知られているが、δオピオイドアゴニストの痛みに関する役割はほとんど分かっていない。
そこで、δオピオイドアゴニスト投与で痛みの情動回路の神経活動を抑制し、それにより痛み閾値が改善するかを確認する。本研究により、δオピオイド受容体の慢性疼痛における機能が明らかになれば、より副作用の少ない治療薬の開発につながる可能性がある。

研究成果の概要

本研究では、神経障害性疼痛の新規治療法の提案のため、麻薬性鎮痛薬の作用点であるオピオイドδ受容体の神経障害性疼痛に対する影響を検討した。オピオイドδ受容体作動薬を脳室内へ投与すると神経障害性疼痛モデルに見られる機械刺激に対する反応性の亢進(機械痛覚過敏)が改善した。このオピオイドδ受容体作動薬による神経障害性疼痛の改善作用は、島皮質のオピオイドδ受容体を介して発現していることが明らかになった。また、島皮質の活動の変化が、痛み閾値に対して影響を与えており、島皮質の機能が亢進すると、痛み閾値を低くすることが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

神経障害性疼痛は治療法が限られており、その有効性も低い。抗てんかん薬や抗うつ薬などが治療に用いられているが、十分な治療効果を発揮しているとは言い難い。痛みの知覚には、物理的刺激に加え心理的要因も影響を与える。不安や不快な心理状態では、物理的刺激を痛みとして認識することが多い。ところが、心的状態と痛みの感受性の関係についての研究はほとんどない。
本研究で、負の情動が高まっている時に活動が上昇する脳領域の島皮質が、痛みの感受性を調節していることを証明したことから、疼痛の理解を深めたと言える。また、この発見をもとに、オピオイドδ受容体をターゲットとした疼痛治療薬の開発も期待される。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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