研究課題/領域番号 |
19K18280
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
河内山 宰 順天堂大学, 医学部, 助教 (30821722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マクロファージ / THP-1 / プロポフォール / GABAA受容体 / GABAa受容体 / 静脈麻酔薬 / 炎症性サイトカイン / M1/M2マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
手術侵襲に起因した急性炎症に伴う合併症は重大な問題であるが、未だ有効な抗炎症治療法が確立されていない。近年、静脈麻酔薬が鎮静以外にも抗炎症効果を持つことが報告されている。静脈麻酔薬の多くは、GABAA受容体の活性化を介して鎮静効果を得ている。GABAA受容体は免疫担当細胞にも発現しており、GABAによる炎症性サイトカインの制御への関与が報告されている。 本研究は、静脈麻酔薬による抗炎症効果の詳細な分子メカニズムを明らかにし、高侵襲手術に対する麻酔方法を含めた管理法の最適化をはかる。将来的には合併症の低減を目指した麻酔方法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
研究者が先行研究にて示した、「プロポフォールの炎症性サイトカイン産生抑制効果の作用機序としてプロポフォールの本来の鎮静効果の作用起点であるGABAa受容体が関与している可能性がある」という結果より、このGABAa受容体に着目して研究を行った。 GABAa受容体は、19種類のサブタイプのうち5つから成り立つ5量体のイオンチャネル型受容体である。その19種類の内、多く発現されているα、β、γ、δの13種類のサブタイプの発現を解析した。 ヒト急性単球性白血病細胞株(THP-1)を使用して実験を行った。THP-1をPhorbol 12-myristate 13-acetate(PMA)刺激し①マクロファージへ分化させ、②このマクロファージを用いてM1分化させた。③M1分化時にプロポフォールを添加し培養した。①~③の各細胞のGABAa受容体サブタイプのmRNA発現をRT-PCR法で解析した。①マクロファージ分化、②M1分化、③M1分化時のプロポフォールによるGABAa受容体サブタイプへの効果・影響を遺伝子発現変化で検討した。 ①ではGABAa受容体サブタイプのα1、α4、β1、β2、γ1、γ2のmRNAが有意に増加した。②ではα1、α4、β1、β2、γ2のmRNA発現は有意に抑制された。③ではα1、α4、β2のmRNA発現が増加傾向であった。 THP-1においてマクロファージ分化、M1分化によってGABAa受容体のサブタイプの遺伝子発現は有意に増減した。特に、炎症抑制効果に関与しているα1,α4の発現増加はプロポフォールの持つ炎症性サイトカイン抑制効果に繋がる可能性が示唆される。 ここまでの研究結果をまとめて、論文を作成し投稿した。現在査読者からの指摘に対して追加実験を行い論文を改編してAME medical journalに再投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験がうまく行うことが出来ない期間があった。 また、追加実験の際に新たに実験系を立ち上げる必要があり時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
論文の査読結果を待ち、査読者からの指摘があればそれに対応して論文を編集し再投稿する予定である。
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