研究課題/領域番号 |
19K18285
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
竹川 大貴 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (80834803)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | オレキシン / 敗血症 / ラット / LPS / 軽度全身炎症 / 睡眠障害 / 敗血症関連脳症 |
研究開始時の研究の概要 |
オレキシン(OX)は、摂食と覚醒の促進をもたらす内因性の神経ペプチドであるが、最近の研究により交感神経の活性化及び中枢性の抗炎症作用を有し、敗血症の生存率を改善することが報告された。また、敗血症の予後を左右する重篤な合併症に敗血症関連脳症があるが、発症機序に脳内炎症が関与している。さらに敗血症は睡眠障害を引き起こすが、これに関しても炎症性サイトカインが関与している。OX は上記の中枢性抗炎症作用を有するため敗血症関連脳症や睡眠障害の予防や治療に有効である可能性が高い。本研究は、OX が敗血症関連脳症や睡眠障害の発症機序に関与するか否かを検討することで、これらの治療や予防法確立を目指す。
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研究成果の概要 |
オレキシン神経系は中枢神経系において抗炎症効果を示すことを過去に報告した。本研究では炎症を誘発する物質であるリポポリサッカライドの腹腔内投与による軽度全身炎症及び敗血症ラットモデルの睡眠障害とオレキシン神経系の関連を、成長に伴いオレキシン神経系が脱落する特性をもつ遺伝子組み換えラットを用いて検討した。睡眠障害は軽度全身炎症ラットモデルより敗血症ラットモデルで強くなったが、オレキシン神経系が脱落した遺伝子組み換えラットでは敗血症モデルのREM睡眠時間が野生型ラットに比べて短くなった。遺伝子組み換えラットの敗血症生存率が野生型に比べ低いが、その機序に睡眠障害が関わっている可能性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果からオレキシン神経系がラット敗血症モデルや軽度全身炎症モデルの睡眠障害に影響を与えていることが示唆された。特に敗血症モデルではREM睡眠時間がオレキシン神経が脱落した遺伝子組み替えラットで有意に減少する睡眠障害が出現した。今後は外因性のオレキシン投与による睡眠障害の予防効果等の検討を追加し、オレキシン神経系をターゲットとした敗血症に伴う睡眠障害や敗血症関連脳症の治療法の確立を目指す。
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