研究課題/領域番号 |
19K18295
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
若林 潤二 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (30833149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | fMRI / anesthesia / iMRI |
研究開始時の研究の概要 |
手術を受ける患者40名(セボフルラン群20名、プロポフォール群20名)で術前・術後覚醒時のfMRI撮影を行い、脳内ネットワークの解析や術後せん妄との相関解析を行う。またこのうち主に脳外科手術中の患者(セボフルラン群10名、プロポフォール群10名)については全身麻酔下での術中fMRIも行い、術前術後覚醒時との比較も行う。撮像はSiemens Skyra 3T MRIを用いる。seed-based analysisを用いて、セボフルラン群とプロポフォール群、術後せん妄群と非せん妄群の脳機能的結合を比較する。術中fMRIについては覚醒時のfMRI画像と比較し、脳機能的結合を解析する。
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研究成果の概要 |
待機的ハーディー手術を受ける成人患者16名を対象とした。神経活動変化に伴う磁場変化(BOLD信号)を測定し、脳の部位ごとのBOLD信号の変化を術前覚醒時とセボフルラン全身麻酔中で比較し脳の神経活動変化の解析を行った。脳の神経ネットワークの強さ、脳局所の神経活動の同期性、脳局所の自発的神経活動を評価した。頭部固定具や頭蓋内の空気、頭部のMRI装置の正中からのずれによるアーチファクトがみられた部位はマスキング処理により解析から除外した。麻酔により視床と淡蒼球と尾状核のネットワークが弱まり、視床と前帯状皮質の局所的神経活動の同期性が低下し、視床と楔前部、後帯状回皮質の自発的神経活動が低下した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、意識形成に重要と思われる視床、後帯状回皮質、楔前部の神経活動低下やこれらを中心とした脳神経ネットワークの機能低下が全身麻酔による意識レベル低下を反映している可能性を示唆した。また、セボフルランによる麻酔作用と視床を介した大脳皮質-大脳基底核のループの抑制が関連する可能性を示唆した。加えて、脳経外科手術中のfMRI画像であることに起因する、種々のアーチファクトによる画像欠損がみられたが、マスキング処理により同部位を除外し問題なく解析、評価の対象とすることができた。本研究の手法は、今後脳神経外科手術中のfMRI画像を解析する際に有用となる可能性がある。
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