研究課題/領域番号 |
19K18308
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
里元 麻衣子 東邦大学, 医学部, 准教授 (10611551)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | せん妄 / 心電図 / 予測 / 生理機能 / 瞳孔計 / モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、術後せん妄の発症を予防する新たな方法を確立することを目的としている。術後せん妄は、入院期間や退院後の生活の質 (QOL) に大きく影響を及ぼす。 申請者はこれまでの研究で、食道がんの予定手術患者の手術前夜の心電図計測によって、術後せん妄の予測が立てられる可能性を示した。今回は上記の予備的なデータを確実なものであるか再検証すると同時に、心電図、瞳孔計測からせん妄予測方程式を作成する。続いて術前心電図で自律神経の偏りが認められた患者に対し、メラトニン・アゴニストであるラメルテオンを内服させ、術後せん妄の発生頻度を減少させられるかどうかの介入研究を行う。
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研究成果の概要 |
術後せん妄は予後に直結し患者に苦痛をもたらす。術後せん妄の画期的な予防や治療がないことが課題である現状で、術後せん妄予測ツールの開発をテーマに研究を行った。早期に予測がたてられることで限りある医療資源の配分に帰することが可能となる。自律神経の変動や機能低下がせん妄の発症に大きく関与していることが考えられ、自律神経を反映すると考えられる心拍変動から術後せん妄の予測がたてられないか検討を行った。研究により術前から副交感神経を反映すると考えられているHF (High Frequency) の低下が認められることを発見し、その結果を英文誌に投稿受理された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術後せん妄予測ツールの開発をテーマに研究を行い、術前から副交感神経を反映すると考えられているHF (High Frequency) の低下が認められることを世界で初めて発見した。研究を進める中で学会参加や発表をして情報収集も行った。この間、国際学会での発表が3回、国内学会での発表が3回(うち3題優秀演題)、さらに麻酔科学会及び関連学会でシンポジストとして術後せん妄の講演および教育講演も行った。心拍変動は心電図から算出され非侵襲な生体モニターであり、広くベッドサイドモニターとして普及している。心拍変動の解析は自動出力可能で、より一般的に広まり患者の安全に寄与できることが想定される。
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