研究課題/領域番号 |
19K18311
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
志賀 卓弥 東北大学, 大学病院, 講師 (90539074)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 集中治療 / コスト / データベース / 原価計算 / ビッグデータ / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
患者に対する集中治療は診療報酬で病院に利益を出すことは少ない.これは本邦の包括支払制度(DPC/PDPS)における支払額の設定に重症度があまり加味されていないことが最大の理由である.一方,手術については出来高算定であり,病院収益の中核をなしている.われわれは自施設の膨大な患者データを深層学習,ヒューリスティック探索などの人工知能技術を用いて解析し,患者のリアルタイムな重症度変化に応じた,最適な医療資源の分配と最大の診療効果を上げる治療を導き出すアルゴリズムを開発し,現在のDPC/PDPS でも容易に適用可能な新たな周術期管理戦略を確立する.
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研究成果の概要 |
本研究では,まず当院ICUに入室した患者データを集約,病院における集中治療部部門原価計算を実施した.人件費が63.47%を占める労働集約型コスト構造であり,本データを機械学習したところ,管理料算定に必要な看護必要度よりも生理学的重症度がコスト予測に優れていた. 次に,厚生労働科学研究伏見班DPCデータベースから,全国のICUに入した患者データを機械学習したところ,SOFAスコアがコスト予測に有効であることが示唆された.また専門スタッフが必須である特定集中治療室管理料1/2と,必須ではない3/4を比較し,ICU1/2はICU3/4よりも患者死亡率の低下と関連し,費用対効果が高いことを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,本邦における集中治療室の原価計算情報がほとんどないため,その基礎情報となる.生理学的重症度スコアが,本邦の医療制度において医療コストが関連することを示した.また,厚生労働科学研究伏見班DPCデータベースを用いて,層別化されている特定集中治療室管理料1,2と3,4の比較と費用対効果分析を行った.より手厚いスタッフィングを行っている特定集中治療室管理料1,2は,3,4よりも死亡率が低く,費用対効果にも優れていることを示した.したがって,本研究成果は,今後の集中治療における医療費のバランスをいかに取るか,患者層別化の方法と費用対効果についての情報として,大きな社会的意義がある.
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