研究課題/領域番号 |
19K18315
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中村 美穂 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (10733818)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 心停止後症候群 / サイトカイン / 炎症性サイトカイン / 心肺停止後症候群 / 小児 / 経時的炎症病態 / 視神経鞘径 |
研究開始時の研究の概要 |
心肺停止は最も重症の病態であり、様々な試みにより経年的に予後は改善傾向とはいえ、1か月生存率は10%程度である。 また自己心拍再開後に生存退院し、社会復帰できる患者は極めて少ない。低酸素性脳症など、高サイトカイン血症を主体とした心停止後症候群(Post Cardiac Arrest Syndrome: PCAS)により、救命困難、社会復帰不可能な状態に陥るのが現状である。PCAS早期に生命・神経学的予後を予測するモデルを作ることを目的に、持続脳波モニタリングや脳損傷のマーカーであるNSE測定、視神経鞘径測定により多元的な評価と、神経細胞障害から浮腫に至るまでの経時的炎症病態の変化を非侵襲的に細胞解析も併用して解明する。
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研究実績の概要 |
心肺停止は最も重症の病態であり、自己心拍再開を得ても心停止後症候群(Post Cardiac Arrest Syndrome: PCAS)により救命困難、もしくは社会復帰不可能な 状態に陥るため社会復帰率は非常に低い。PCASの予後において最も重要な病態は虚血再潅流による脳損傷であり、虚血後の炎症反応の制御とその後に発症する脳 浮腫の軽減が必要である。PCASは重症病態であり、様々な予後予測が行われてきたが、未だに早期に生命・神経学的予後を予測する確立したモデルは不確定であ り、神経学的予後を含めた早期の正確な予後予測が望まれている。 本研究では、第一にPCASからの早期の予後予測を行うことを目的とする。炎症性サイトカイ ン を含めたバイオマーカーの測定を軸として、これまで解明されて いないROSC後数日間のバイオマーカーの超早期の神経細胞障害から脳浮腫発症を含む経時的 な炎 症病態の推移を解明する。全身性マーカーに加え脳損傷のマー カーであるNSE測定も行う。さらに眼球超音波検査を使用した視神経鞘径(optic nerve sheath diameter: ONSD)の拡大、持続脳波モニタリングも施行し多元的な 予後評価を行う。 2019年度には「心肺停止後症候群の予後における脳障害の経時的炎 症病態と多元的評価」に適切な炎症性サイトカインを再検討することを目的に小児の心停止後症候群とその他疾患における予後予測を目的とした炎症性サイトカ インの後方視的検討を行った。小児症例で炎症性サイトカインを測定した33例について、死亡例・神経学的予後不良例におけるhuman-tau蛋白の上昇が認められ た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
小児症例で炎症性サイトカインを測定した33例について、死亡例・神経学的予後不良例におけるhuman-tau蛋白の上昇が認められたことから、human- tau蛋白の 測定を追加し、検討を行う予定であった。安全性の問題から眼球超音波検査での検査を施行しないこととし、追加すべき炎症性サイトカインについて検討中であるが2023年は妊娠による体調不良・出産による産休を取得しているため研究をすすめることが困難な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
炎症性サイトカインの測定を行い、早期神経細胞障害を起こすPCASの脳虚血から浮腫に至る経時的な変化を解明する。2024年度には先述したhuman-tau蛋白の測定に加え、眼球超音波検査の代用として瞳孔計の使用を検討している。症例集積期間は2年間を予定する。
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