研究課題
若手研究
敗血症では催炎症と抗炎症のバランスが破綻し、急性期では炎症性組織傷害が、後期には免疫麻痺により治療抵抗性日和見感染など2次感染症が起こるが、免疫麻痺のメカニズムは十分には解明されていない。2型自然リンパ球(ILC2s)はTh2サイトカインを産生する自然リンパ球としてアレルギーや寄生虫感染での免疫系制御機能が注目されているが、敗血症肺傷害における働きは不明である。本研究では「ILC2sが、敗血症の催炎症と抗炎症のバランス制御にどのように関わっているのか」という学術的な問いを検討する。前半ではILC2の肺集積のメカニズム、後半では肺集積後に発揮される炎症制御機能について段階的に研究計画を進める。
免疫の制御異常は、敗血症性肺損傷を含む敗血症における多臓器不全の病因の中心的役割を果たしている。グループ2自然リンパ系細胞(ILC2)は、肺の免疫恒常性を制御する新たなプレーヤーとして登場したが、敗血症性肺傷害におけるILC2の役割はまだ十分に理解されていない。我々の知る限り、本研究成果は傷害肺におけるILC2の共刺激分子の発現量の違いをIL-33/IL-13経路を介した2型免疫応答による炎症の進行と消退との関係で示した初めての報告である。
PD-1/PD-L1シグナル阻害は敗血症マウスの転機を改善すること知られている。この治療効果は主にT細胞の疲弊を改善することによってもたらされていると考えられていたが、本研究において『PD-1/PD-L1シグナル阻害は敗血症性肺傷害においてILC2のIL-13産生抑制を緩和する可能性』が見いだされた。IL-13が肺傷害を改善させる可能性が指摘されている先行研究結果があること、本研究成果がPD-1/PD-L1シグナル阻害の治療効果に対するILC2を介した新規メカニズム解明につながる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (9件)
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