研究課題/領域番号 |
19K18331
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
赤塚 正幸 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60808161)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 敗血症 / ラット / DAMPs / リコンビナントトロンボモジュリン / 腎障害 / トロンボモジュリン |
研究開始時の研究の概要 |
生体へ感染症などの侵襲が生じた際に、DAMPsと呼ばれる蛋白が産生放出される。しかし、これらが過剰に産生放出されると強い炎症を引き起こし、敗血症や敗血症性ショックへと進展し, 多臓器障害となり生命予後を悪化させる。そのような高度侵襲から生体組織の恒常性を維持するために重要な役割を果たしているのが、主に血管内皮細胞上に存在するトロンボモジュリンである。天然のトロンボモジュリンと同様の生理活性を持つ遺伝子組換えトロンボモジュリンの抗炎症作用によりDAMPs蛋白を抑制する効果が期待されている。今回、敗血症の治療戦略を確立することを目指し、DAMPs蛋白の制御と多臓器障害進展の抑制効果を調べる。
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研究成果の概要 |
ラット敗血症モデルでヒストンH3は経時的に上昇していることが示された.また,ヒストンH3濃度の上昇に伴い腎障害が生じることが病理組織学的所見から示された.次に,3種類のトロンボモジュリン(レクチン様ドメイン+EGF様ドメイン,レクチン様ドメイン,EGF様ドメイン)の投与はヒストン蛋白濃度の抑制と腎障害の軽減を認めた.さらに、トロンボモジュリンの投与群では非投与群よりも24時間生存率が延長するということが示された. 結果として,敗血症におけるヒストン蛋白の血中濃度の上昇と腎障害との関連性,そしてトロンボモジュリンのヒストン蛋白抑制効果と腎障害軽減効果について示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染症が原因で臓器障害に進展して敗血症となると死亡率が高くなり予後が不良となる。臓器障害を進展させる原因となっているヒストンH3と呼ばれる物質に着目して、この物質を抑える可能性を持つトロンボモジュリンを用いて今回の検証をおこなった。結果として、トロンボモジュリンはヒストンH3を抑制して腎障害を軽減させる関連が示唆された。敗血症の予後を改善させるためのあらたな創薬の可能性と患者の予後を改善さえることで社会経済的にも大きな影響を及ぼすものと考えられる。
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