研究課題/領域番号 |
19K18336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
関 玲子 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (30527495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 炎症 / TLR / 敗血症 / 肝障害 / 脂質代謝 / トレランス / Toll like receptor / D-ガラクトサミン / マウス病態モデル / 炎症応答 / 肝不全 / 敗血症性ショック / 好中球 |
研究開始時の研究の概要 |
感染により引き起こされる敗血症、またそれがさらに重篤化した敗血症性ショックは医療が進歩している現代でも致死率の高い病気のひとつです。その理由として、敗血症が多様な病態を示し、迅速な処置が必要であるにもかかわらず的確な治療法を見つけにくいことが挙げられます。そこで、マウスを用いて数種類の異なるToll様受容体アゴニスト(炎症を起こす細菌由来の様々な物質)が引き起こす炎症についてそれぞれの経時変化を調べ、どのような細胞あるいは機能が病態形成に関わっているのかを解明します。また、試薬の投与量や回数を変えることで敗血症の様々な状態のモデルを構築し、病気の多様性に対するメカニズムへの理解を深めます。
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研究成果の概要 |
本研究では、異なるTLRアゴニスト投与により全身性あるいは肝障害炎症を模倣したマウスを用い、炎症過程での好中球・血小板、肝臓での脂質代謝の関与について検討を行った。得られた知見は以下の通りである。 (1)好中球を含むGr-1+細胞は抗炎症作用・肝障害に対し保護効果を有する(2)免疫応答が弱いトレランス状態の肝臓では、脂肪酸取り込みに関するCD36遺伝子発現が著しく増加する(3)身体的ストレスによっても肝臓のCD36遺伝子発現は著しく増加し、血清TGは一過性の減少後、著増する(4)TLRアゴニスト投与は減少後の血清TG著増を抑制する 以上より、肝の脂質代謝が炎症に深く関与する過程の一部を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちは、敗血症でみられる免疫応答が弱くなっているトレランス状態や肝不全により炎症が増強されている状態、さらには拘束といった身体的なストレスにおいても、マウス肝臓の脂肪酸の取り込みに関するCD36遺伝子発現が迅速に著しく亢進することを見いだした。また血清TGの大きな変動を見いだし、肝臓の脂質代謝が炎症初期から大きく関与することを明らかにした。一方、TLRアゴニストはその変化を抑制することから細菌感染による敗血症増悪の過程を解明するヒントをつかむことができた。
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