研究課題/領域番号 |
19K18338
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 大祐 藤田医科大学, 医学部, 助教 (20816194)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 敗血症 / 急性肺障害 / 顆粒球/単球吸着除去療法 / 活性化好中球 / 血液浄化 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症、急性肺障害は活性化顆粒球などが血流をめぐり、遠隔臓器に影響を与えることにより生じる症候群である。われわれは、活性化顆粒球の標的の場を生体外に設け、過剰な炎症反応を生体外に移動させることで臓器障害を阻止する血液浄化法を考案し、これまでに、ブタ新鮮血を用いたex vivoの研究、生体ブタを用いたin vivoの研究を行い基礎的な結果を報告してきた。本研究の目的は、このデバイスを敗血症患者、急性肺障害患者に使用し、その安全性、有効性を各種生化学検査、サイトカイン測定などにより多角的に評価する。
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研究成果の概要 |
敗血症など高度侵襲に続発する臓器障害の進展には活性化顆粒球が深く関与している。我々は、血液浄化回路内に組み込まれた、活性化顆粒球捕捉のための一次カラム(本研究ではアダカラム)と、捕捉時に放出されるメディエータを除去するための二次カラムからなる新システムを考案し、これまでにブタ新鮮血を用いたex vivo の研究、生体ブタを用いたin vivoの研究を行い基礎的な結果を報告している。本研究の目的はこのデバイスを臨床応用し、敗血症の治療として確立することである。1例の潰瘍性大腸炎患者の敗血症に対して使用した結果として、白血球数は著明に減少することがなく貪食能、接着能は緩やかな低下を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は世界では年間2-3千万人、本邦でも年間38万人が罹患している。死亡率は約30%と高く世界的な問題と認識されている。敗血症では、血管内皮障害や好中球の活性化による炎症と、血小板や多種の凝固因子の活性化による凝固という免疫応答が全身性に蔓延し、多臓器不全へと移行する。このように免疫応答が過剰かつ急速に発展することが、敗血症治療を困難にしている。敗血症をはじめとする侵襲に対し、より積極的に免疫そのものを制御する血液浄化システムは、この難治性疾患により死亡する患者を救命できる画期的な治療法となる可能性がある。本研究はこのような取り組みの第一歩として位置付けられる。
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