研究課題/領域番号 |
19K18351
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木口 雄之 京都大学, 医学研究科, 研究員 (30724380)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 院外心停止 / 心肺蘇生 / 近赤外線分光法 / 病院前救急医療 / 脳循環 / 病院外心停止 / 近赤外線分光法モニタ / 心停止 / 脳循環測定 / 社会復帰 |
研究開始時の研究の概要 |
院外心停止例の社会復帰率は、10%程度と依然低い。現在のガイドラインで推奨される胸骨圧迫の深さは患者の体格に依らず5-6cmと一定であり、均一化された目標が真に効果的かは不明である。胸骨圧迫の最大の目標は、心停止中の脳循環の維持であり、リアルタイムに脳循環をモニタしながら心停止患者の体格に応じた胸骨圧迫を行うことで救命処置の効果が最大化できる可能性がある。本研究の目的は『心停止例において近赤外線分光法モニタを用いてリアルタイムに脳循環を評価し、その生理学的指標に基づいて適切な深さで胸骨圧迫を行うオーダーメイドの心肺蘇生によって社会復帰率が向上するかを検討すること』である。
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研究成果の概要 |
PILOT Studyを2019年4月1日より開始しfeasibilityを評価した。2020年4月からCOVID-19感染症拡大により、一度研究を中断した。COVID-19流行下でも研究を行えるように工夫し、まずはNIRO機のみで本試験を2021年1月22日から開始した。計256例の症例登録を得た。75%の症例で解析可能なデータを得た。また2022年3月15日から機器が準備でき、胸骨圧迫の深さも測定可能となり、68例で測定した。解析可能症例は46例であった。全区間を対象にNIROで測定した脳血流指標(O2Hb)と平均の胸骨圧迫の深さとの相関を解析したが、強い相関は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果にて、現在Gold Standardとなっている胸骨圧迫の質(深さ)とNIROで測定した脳血流指標との関係性を明らかにし、両者においては明らかな相関関係は認めなかった。このことは心停止患者の蘇生中に有効な脳血流を維持するには胸骨圧迫の深さのみでは不十分である可能性がある。脳血流を維持できるような有効な胸骨圧迫を行うためには深さ以外にも胸骨圧迫の位置や患者の体格に応じて深さも変える必要がある。そのためには胸骨圧迫を行う際の指標が必要であり、NIROによる脳循環指標がその一助となる可能性がある。しかし、蘇生中の指標とするためには基準値の設定や課題が残っており、さらなる研究が望まれる。
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