研究課題/領域番号 |
19K18353
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
冨岡 和美 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60792017)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | acute encephalopathy / cytokines / children / mitochondrial disorders / inflammation / febrile seizure / 急性脳症 / 熱性けいれん / 小児 / サイトカイン / てんかん重積状態 / ミトコンドリア機能障害 / FDG-15 / GDF-15 |
研究開始時の研究の概要 |
急性脳症の病態は炎症性サイトカイン過剰とミトコントコンドリア機能障害に代表される代謝異常の関与が想定されるが、サイトカインとミトコンドリア機能障害マーカーの動態や、両者の相互作用も不明である。本研究では急性脳症の臨床経過に対応したサイトカイン・ミトコンドリア機能障害マーカーの急性期の変動や相互関係を解明することを目的とし、サイトカインの網羅的測定、ミトコンドリア機能障害マーカーである ATP・GDF15測定を行い、臨床経過を分単位で記録したデータベースと照合して解析を行う。本研究により急性脳症の病態の包括的理解を可能とし、さらに病態に応じた最適な治療法選択と至適治療時期の決定に貢献できる。
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研究成果の概要 |
小児における主にウイルス感染に関連した急性脳症は、生来健康であった乳幼児に重度の脳障害を遺しうる疾患であるが、病態は解明されておらず治療法も未確立である。今回急性脳症の病態解明を目指し急性脳症の血清と髄液中のサイトカインやGDF-15などの炎症とミトコンドリア機能に関連するバイオマーカーを測定することにより、それらのマーカーの発症早期からの時間単位の変化を世界で初めて明らかにし、そして急性脳症では基準値より上昇していることを明らかにした。急性脳症の病態における炎症やミトコンドリア機能障害の関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性脳症は生来健康であった乳幼児が神経学的後遺症や重度の場合には脳死といわれる状態に陥ることがある疾患である。本邦では年間700人の発症があると推定されているがその病態は未解明で治療法も未確立であるため、病態解明と治療法確立が急務である。本研究では炎症とミトコンドリア機能障害に関連するバイオマーカーが発症早期に時間単位でダイナミックに変化していることを明らかにした。急性脳症の病態に炎症とミトコンドリア障害が関与していることが示唆され、抗炎症治療やミトコンドリア機能障害に対する介入は治療において有望なアプローチとなりうる可能性がある。
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