研究課題/領域番号 |
19K18356
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
西垣 厚 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (70783736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 敗血症 / 高齢 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症は、標準的治療の向上・普及に伴い、その救命率も高くなっている。一方、生存退院した敗血症患者は、特に高齢患者で認知機能障害が生じ, 生活の質低下に関連していることが報告されている。敗血症後認知機能障害の詳細な機序は明らかでなく、確立した治療法も存在しないが、近年、脳内神経炎症の重要性が注目されている。双極性感情障害の治療薬である塩化リチウム は、抗脳内神経炎作用および抗アルツハイマー病効果の報告があるが、敗血症後認知機能障害に対する有効性は検討されていない。本研究では高齢ラットを用いて敗血症後認知機能障害に塩化リチウムの与える影響を検討する。
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研究実績の概要 |
敗血症に代表される全身炎症性疾患には急性期の認知機能障害があることは広く知られている。これまで、炎症に伴う急性期の認知機能障害が動物実験で検討されており、脳マイクログリアの活性化を伴う脳内炎症の影響が報告されている。一方、長期的な認知機能や脳内炎症を評価した報告は無く、病態としては機序も明らかでは無い。この状況に対して、本研究では、実施期間中に高齢動物における長期的な認知機能低下と脳内炎症との関連について、行動実験と炎症性サイトカイン濃度の視点から分析を行った。 高齢ラット(24ヶ月齢前後の雄性SDラット、人間では70歳以上に相当)の敗血症モデルの長期的な認知機能低下と神経炎症との関連の検討を行い、敗血症後に塩化リチウムを腹腔内投与するモデルを作成し、慢性期(1週間後)認知機能の検討と脳内炎症の評価を行った。 予備実験で、高齢ラット敗血症モデルで長期的(1週間後)な認知機能低下及び脳内神経炎症の上昇は確認されていたが、本研究に置いて、塩化リチウム投与は行動実験において敗血症による新奇物体への嗜好性低下を有意に抑制し、また炎症性サイトカイン濃度増加も有意に抑制した (CLP+LiCL群、新奇物体への嗜好性: 70.7%、IL-1β濃度: 9.5 pg/mg、TNF-α濃度: 18.5 pg/mg)。全群を合わせて、新奇物体への嗜好性と海馬サイトカイン濃度の間には有意な負の相関があった (海馬IL-1β濃度: 相関係数 0.42 海馬TNF-α濃度: 相関係数 0.47)。研究期間中、LiCL投与によると考えられる異常行動は生じなかった。 これらの結果は2019年、集中治療医学会において発表を行い、現在内容について論文作成中である。
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