研究課題/領域番号 |
19K18359
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
政所 祐太郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (40794061)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 水素ガス / アセトアミノフェン / 薬剤性肝障害 / 中毒 / 肝障害 / グルタチオン |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤性肝障害のうち解熱鎮痛目的の処方薬や一般用医薬品の総合感冒薬などにも多く使用されているアセトアミノフェンは、自殺目的の過量内服や疼痛改善目的に大量内服されることがあり、重篤な肝障害を引き起こす可能性がある代表的な薬剤である。水素ガス吸入による臓器保護効果が近年注目されており、様々な報告がなされている。アセトアミノフェン肝障害に対する水素ガス吸入療法の有用性を検討し、さらに、未だ不明な点が多い水素ガスの臓器保護メカニズムの解明を様々な代謝経路を有する肝臓で研究することで明らかにし、水素ガス吸入療法を薬剤性肝障害の新たな治療法として確立をしていく。
|
研究成果の概要 |
アセトアミノフェン(APAP)肝障害に対する水素ガス吸入の効果について検証した。16時間絶食の後、APAP300mg/kgを投与するモデルを使用した。水素ガス(N2をベースとした、H2 1.29%、O2 21%の混合ガス)吸入群とコントロールガス(N2 79%、O2 21%の混合ガス)をAPAP投与後2時間吸入させ、24時間後に臓器保護効果について評価を行った。その結果、ALTは水素ガス吸入群が観光その上昇が抑えられる傾向にはあったが、統計学的な有意差は認めなかった。GSHに関しては群間で差はみられなかった。今後、モデルの重症度の検証や既存医療薬との併用など、さらなる検証を検討している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アセトアミノフェン(APAP)中毒による肝障害に対してはNアセチルシステインによる治療法が確立されているが、頻回投与や味の問題、内服後から治療介入までの時間的制約などいくつかの問題点が残っている。近年、さまざまな臓器障害に対して保護効果が報告されている水素ガス吸入療法をAPAP中毒にも応用する有効性について評価したが、有意な差はみられなかった。モデルの条件変更や既存治療法との併用療法などさらなる検証を続け、今後の新規治療の開発、水素ガス吸入療法が効果を示すメカニズムの解明をすることで今後の薬剤性肝障害の治療戦略に影響を与える可能性がある。
|