研究課題/領域番号 |
19K18363
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
栗原 智宏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (40338174)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 敗血症 / 老化 / 好中球 / 易感染性 / 遊走能 / 細胞内エネルギー / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
重症感染症である敗血症は現在でも世界的に致死率の高い疾患であり、高齢者の罹患率が高い。日本でも高齢化社会が進むにつれ、敗血症が現在以上に臨床的にも社会的にも問題となることが予想される。すなわち、高齢患者は容易に感染症に罹患し重篤化し、長期に及ぶ困難な治療に伴い高額な医療費が必要となり医療経済を圧迫する。本研究は免疫機能にとって重要な役割を担う好中球に着目している。高齢者で好中球機能が低下していることは断片的に報告されており、その機能を改善することによって高齢者の易感染性、敗血症発症を回避する積極的な予防および治療法の基盤を作り上げる。
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研究成果の概要 |
nicotinamide mononucleotide(NMN)を老化マウスおよびラットに投与することでどのような効果が得られるかの検討を行った。結果として、①好中球の個々の動きを把握できるデバイスを用いて遊走能が改善すること②盲腸結紮による敗血症ストレスに対する生存率が改善すること③臓器障害が改善すること④最後に好中球内の代謝状況を確認するためにメタボローム解析を施行し、好中球内のエネルギーの状態が改善している事を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は現在でも世界的に致死率の高い疾患であり、高齢者の罹患率が高い。日本でも高齢化社会が進むにつれ、敗血症が現在以上に臨床的にも社会的にも問題となることが予想される。すなわち、高齢患者は容易に感染症に罹患し重篤化し、長期に及ぶ困難な治療に伴い高額な医療費が必要となり医療経済を圧迫する。本研究の成果によって、高齢ラットでは好中球の遊走能が低下しており易感染性をもたらす原因の一つとなっていることが考えられた。さらには、その機能を回復することで敗血症に対する抵抗力が改善する事も確認できた。将来的に高齢者の敗血症予防・治療に寄与できる研究成果が得られた。
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