研究課題/領域番号 |
19K18364
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 幸男 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00445272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 熱傷 / ビタミンD / グルタミン / アラニン / ミトコンドリア機能不全 / 耐糖能異常 / 筋消耗 / マウス / ビタミンD |
研究開始時の研究の概要 |
熱傷は骨量減少、筋消耗、耐糖能異常、免疫能低下を来し、それらが創傷治癒の遷延や感染症の危険因子となることが知られている。近年、重傷熱傷患者へのビタミンD投与は入院期間や骨折リスクを減らすことが報告されている。ビタミンD受容体は骨の幹細胞だけでなく、マクロファージや樹状細胞、筋芽細胞にも発現しているとされる。従って、ビタミンD投与により、骨量回復だけでなく、筋量回復、インスリン抵抗性の改善、免疫能の回復も期待されるが、その効果については明らかでない。本研究では熱傷モデルマウスにビタミンD投与を行い、骨量・筋消耗・耐糖能異常と敗血症の予後を改善するか、をその病態生理とともに明らかにする計画である。
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研究成果の概要 |
熱傷におけるビタミンDとグルタミン、耐糖能異常、免疫低下との関係性は明らかでない。そこで本研究では熱傷面積が20%の熱傷モデルマウスを作成し、高用量ビタミンD投与による代謝物質の変化をメタボローム解析により行った。その結果、高用量ビタミンD投与熱傷群において腓腹筋内のアミノ酸代謝経路およびTCA回路の代謝物質、ATPの合成と分解に関わる代謝物質が増加し、血中のグルタミンおよびアラニン濃度が増加した。免疫調節および創傷治癒に必要なグルタミンの血中濃度および肝臓における糖新生に必要なアラニンの血中濃度が増加し、免疫調節や耐糖能異常の改善に寄与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱傷は骨量減少、耐糖能異常、筋委縮、免疫低下を来たす。本研究は臨床研究報告がされている熱傷患者の予後と血中ビタミンD濃度に相関性が認められることについての病態解明を目指した。本研究では熱傷モデルマウスへのビタミンD投与は、免疫調節および創傷治癒に必要なグルタミンの血中濃度および肝臓における糖新生に必要なアラニンの血中濃度が増加し、免疫調節や耐糖能異常の改善に寄与する可能性が示唆され、臨床研究で報告されている熱傷へのビタミンDの影響の一因と考えられた。
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