研究課題/領域番号 |
19K18367
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
中江 竜太 日本医科大学, 医学部, 講師 (20786975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 外傷 / 凝固障害 / トラネキサム酸 / 病院前救急医療 / 頭部外傷 / 凝固線溶障害 / TAT / D-dimer / PAI-1 / 小児 / 凝固線溶系障害 / 高齢者 / 病院前 |
研究開始時の研究の概要 |
重傷外傷患者の約1/4~1/3は受傷後早期から凝固線溶系障害を合併し、特に線溶亢進に伴う出血傾向は大量出血を伴う外傷患者において大きな問題である。近年、外傷患者に対するトラネキサム酸投与により全死亡や出血死が有意に低下することが示され、特に受傷3時間以内の投与の効果が大きいことが示された。外傷患者の救命率を上昇させるためには、より早期のトラネキサム酸投与が望ましいと考えられる。本研究は、ドクターカーやドクターヘリで搬送する外傷患者に対して病院前でトラネキサム酸投与を行い、その安全性を確認し、凝固線溶系マーカーの推移や患者の経過・転帰から有効性を検討するものである。
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研究成果の概要 |
病院前トラネキサム酸投与群は34例、Historical Control群1302例であった。それぞれ34例をマッチさせ、年齢、性別、GCS score、AIS、ISSの標準化平均差は0.1未満となった。 主要評価項目の28日後の死亡は、病院前トラネキサム酸投与群は17.7%、Historical Control群は35.3%で有意差は認めなかった(p = 0.10)。副次評価項目の3か月後modified Rankin Scale 0-2は、病院前トラネキサム酸投与群は44.1%、Historical Control群は47.1%で有意差は認めなかった(p = 0.81)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
凝固線溶マーカーの経時変化では、Fibrinogenは病院前トラネキサム酸投与群の方が受傷1日後から高値で推移しており、急性期を過ぎると凝固が亢進することが示唆され、血栓塞栓性合併症が多くなることの根拠となり得ると考えられた。また、D-dimerは病院前トラネキサム酸投与群の方が受傷1時間後は高値であったにも関わらず、受傷3時間後、6時間後は低値で推移しており、PAI-1は受傷6時間後で低値であり、病院前トラネキサム酸投与により受傷3時間後をピークとする線溶亢進が抑制されると考えられた。 凝固線溶マーカーの推移から、病院前におけるトラネキサム酸投与の影響が明らかとなった。研究の継続が必要である。
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